「転調に次ぐ転調」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) くーにー62さんの映画レビュー(感想・評価)
転調に次ぐ転調
実にクール。シリアスな状況でピンっと張りつめた糸が、不意に、予想もしない展開で緩んだり、絡まったり、飛翔したり。転調に次ぐ転調。それをほとんどワンショットで見せるんだわ。凄っ!
ショービジネスという異界で渦巻く情念っていうのは、それだけでドラマになるけど、ブロードウェイに対するコンプレックスを持った、落ち目で老いぼれたヒーロー役者のあがきっていう、ひねりにひねった設定が素晴らしい。もう後がないという焦り、もう一度喝采を浴びたいと渇望する心に、恥ずかしながら共感する。
バードマンとのやりとりがまた楽しいのだけど、ウディ・アレンの『ボギー!俺も男だ』を彷彿させるというのは誰か指摘してるかな。
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