「理解したつもりだが、はたして…」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) showさんの映画レビュー(感想・評価)
理解したつもりだが、はたして…
本作を、一度の鑑賞で理解するのは難しい。
(それは、どの作品にも言えることではあるのですが…)
めまぐるしく動く視点の中で、映し出される情報量の多さ。
登場人物たちのダイアローグの複雑さ。
現実と虚構の境い目の不確かさ。
幾重にも張られたメタ構造への解釈。
本作2時間の鑑賞の中で、
そういった作品内の訴えをどう咀嚼し、どういったテーマを感じ、読み解くことができるか。
人間のエゴ
エゴ同士の摩擦でしか交流を持てない人間たちへの慈悲
と、同時に
ハリウッド資本の映画業界へのアンチテーゼ
ハリウッド大作を見慣れてしまった観客への警告
そういった表面的な部分は理解したつもりになれるが、
もっととてつもない何かを読み落としてないか、と慎重になる。
いや、もしかしたら「無知がもたらす予期せぬ奇跡」というタイトル通り、
映画通ぶった読み解きなどせずに、直感的に感じ取ったものこそ、この映画の真髄なのか。
そんな勘ぐりすらしてしまうような、難解で痛快な作品でした。
ぜひ映画館で、どっぷりと浸かっていただきたいです。
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