「どこにもないけどありそうな世界の中で」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) ピロリさんの映画レビュー(感想・評価)
どこにもないけどありそうな世界の中で
カメラワークや映像の繋ぎ方、音響演出、脚本全てが自分の好みに合致していました。
現代映画というコンテンツに対する疑問、危機感、不満。そして「演じる」ということそのものへの愛情と狂気性。どこかの国の意向が見え隠れする不確かな正義感を煽るような映画ではなく、実在の人物の人生のエネルギーを借りなければ描けないような頼りない映画ではなく、フィクションという世界の中でできることの可能性と閃きを最大限堪能させていただける映画でした。
いつの日か映画や映画館というものが博物館に
入る日が来たとしても、人が何かを演じ、それを楽しむという形式そのものはなくならないのだとふと感じてしまいました。
月並みな表現ではあるけれど、このような映画がある限り僕はまた映画館のシートに足を運ぶのだと思います。
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