「未知のものに触れた時、人は毒と気付かない」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
未知のものに触れた時、人は毒と気付かない
技巧を凝らした映像や、トリッキーな演出、実力派揃いのキャスティングに見事に騙されたハリウッド。
アカデミー賞をはじめとして、素晴らしい評価を得た映画。それが、必ずしも傑作とは言えないという好例だといえる作品。
「くそつまんねえ」というのが正直な感想で、少なくとも、脚本が評価されたことには、まったく納得がいかない。
セリフの端々に、今日の映画界への皮肉や、演劇界への皮肉が散りばめられ、映像に至っては、「いつでも撮れるんですよ。大衆が悦ぶようなクソ映画なら。」とでも言わんばかりの、テクニックをぶら下げたような皮肉たっぷりの映像。
肝心の、お話がつまんなければ、映画はつまんないということだろう。
意味不明の、どうとでも取れるような解釈に、逃げるんじゃなく、ちゃんとまとめて欲しかった。
少なくとも、主人公に幻覚が見える理由なりとも、説明して欲しかったし、自殺未遂なのか、本懐を遂げたのか、見る人に委ねる演出は、卑怯極まりない。
私が、最も嫌いなタイプの映画だ。
それでも、星が2つなのは、役者の豪華さに敬意を表して。そして、We share a vaginaというセリフがどうしても気になって最後まで見てしまったことに敬意を表して。
2016.3.11
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