「謙虚な心を失くしてしまった役者に明日などない。」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) はるさんの映画レビュー(感想・評価)
謙虚な心を失くしてしまった役者に明日などない。
舞台俳優は映画俳優より優れた演技をする。そんな妄想に絡め取られてしまった哀れな俳優の末路は冬眠から覚める前に飢え死にしてしまう雄ぐまのようだ。すべてが偶然に生み出されてしまったことに気づいているのかいないのか・・・・ラストシーンは観る者の想像力に阿るのが正解だ。監督にだって分からないのだからだ。過去の栄光は決して人の心を縛り付けたりはしない。歳を重ねて振替る事柄は取り返しの衝かぬことばかりだからだ。もがいても幾戦の言い訳を思いついたとしても舞台の幕が下りてすべてを無いものとしてやり直すことなどできはしない。過ちは過ちなのだからだ。いま現在の行動が周囲の人々が避難したとしても心静かに受け止めて恥をかくことでしか表現しえないことを深く理解しなければ見るもの心を震わせることなどできゃしない。そんな至極当たり前の事に気がつかないというのはコンプレックスが氷河のように固まってしまい更に悪いことに腐った氷の上に優越意識を築いてしまったからだ。
この世にはあっても無くてもどうでもいいことが沢山存在している。その一つに演劇や映画がある。人々はこれらがなくても幸せに生きて行けたりもする。
だからこそ、謙虚さが必要なのだ。
ちょっと傲慢だと感じて今を生きている僕はこれを見てことのほか頷く回数が増えてしまった。
団塊の世代、必見の映画だろう。
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