「擬似ワンカットが非常に邪魔」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) EigaTakさんの映画レビュー(感想・評価)
擬似ワンカットが非常に邪魔
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とにかく擬似ワンカットの編集点が粗く気になってしょうがなかった。カット前後の俳優の位置や距離感や色彩がズレていたりするので、全編を通すという試みは良いと思うが、もう少し精度の高い編集が実現出来ないのであれば、小賢しい編集はせずに普通のカット割にした方が良い。擬似ワンカットの編集点の為にカメラ前を無駄に横切らせる演出を多用するのも馬鹿の一つ覚えのように見え気になって集中できない。撮影面で技法の自己満足と自慢をしたがっているのがよく分かるが、こういう技術は観る側に気づかせないよう自然に出来ないと逆効果で作品の質を落としてしまう。そもそも同様の繋ぎテクニックはバックツーザフューチャー等の時代から多用されてきた手法で目新しくもない。鏡を背景に演技させてカメラが映らないように見せる合成は上手かったが、それもこれ見よがしに多用しすぎ。
内容は業界への風刺や物語として伝えたい事はわかりやすい部類だと思うが、作品賞を取るようなレベルではなく、まさに批評家や業界人に刺さりやすい内容が受けたんだろうなという感想。
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