「ユニークだが病的」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ユニークだが病的
大スターや名プレーヤーの凋落の悲劇は数多く映画化されてきている、謂わば定番だがブラック・メタフィクションという訳のわからない手法でチャレンジした意欲作ということなのだろう。
楽屋の化粧鏡に"A THING IS A THING,NOT WHAT IS SAID OF THAT THING."(才能は才能、批評とは別物である)と慰めとも励ましともつかぬスーザン・ソンタグの一文が書かれた紙が貼ってある。業界人には受けるのであろう、役者に限らず人気商売は浮き沈みが激しい、認められたい欲求は誰しもあるだろうが精神錯乱まで行ってしまっては身も蓋もない。冒頭からシュールな空中浮遊、思わずあの狂気の教祖を連想、登場人物は舞台劇のように終始声を張り上げ下品極まりないセリフが飛び交う、薬物患者のような幻覚にまで付き合わされる身としては逃げたくなる。
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