「アカデミー作品賞かというと。」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) ショーンOさんの映画レビュー(感想・評価)
アカデミー作品賞かというと。
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ドキュメンタリーじゃない限り、長まわし、したくなる気持ちというのはよくわからない。
これは完全に古い人間的な考えかもしれないが、カット割りがないっていうことがどうにも気持ち悪いのだ。
最初にドキュメンタリーじゃない限りって言ったように、作品にリアリズムを強く要求する場合は長く回すことでの編集してない感が信頼につながると思うのだ。
なので、この作品で長まわしは必要ないという気がしてならない。
ただこの作品は長まわしどころか、最後までずっと回しという演出なので、意味合いが違うのだろう。
落ち着かないことには変わりない。
ただ最後の方まで行っといて最後の最後でカット割りする。
これが最も納得いかないというか、あれだけひっぱっといて最後まではいかないんや、という。
でも、まぁ過去の栄光にすがる悲哀を描くのに、この演出でやる必要があるのか?というのもある。
最後(の方)まで回しっぱなしという企画が先なのか、落ちぶれていくおっさんの悲哀というテーマが先なのか?
それによっても違うでしょうが、少なくとも、最後の方まで回しっぱなしやってみるよという映画であれば、この映画でなくていいような気がする。もっと「事件」を扱う感じの題材の方がフィットすると思うのだ。
と、いうことでこの映画がアカデミー作品賞と言われると疑問符しかつかない。
もちろん、エドワード・ノートンの存在感や劇中ドラムの使用法など、特筆すべき点もあった。ダメな映画とも思わない。が、その年の最高峰的なポジションで語られるような映画でないことも確か。
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