劇場公開日 2015年2月21日

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「既視感は否めません。」アメリカン・スナイパー bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0既視感は否めません。

2015年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

単純

難しい

 公開初日に観ていたのですが、モヤモヤとした気分をうまく文章にまとめることができず、今日に至ってしまいました。観た後の印象がキャサリン・ビグローの「ハート・ロッカー」や「ゼロ・ダーク・サーティ」を観たときの印象と大して変わらないのです。決して悪い映画ではないのですが、如何せん既視感は否めません。ああ、こういう感じの映画、観たことあるよね、といった感じです。イーストウッドの作品なので、個人的に期待しすぎたのかもしれません。(ここで☆ひとつ減る)戦争で精神を病み、破滅していくという題材なら「ディア・ハンター」という衝撃作があります。(クリストファー・ウォーケンがロシアンルーレットで命を落とす、という凄惨な描写があります)戦争全体の狂気についての映画なら、「地獄の黙示録」という問題作があります。イーストウッドがこの種の戦争映画を改めて撮ろうと決意した、その胸中が、私にはよく理解できませんでした。
 そして納得できないのが、主人公の最期を字幕で処理してしまったことです。狙撃の場面をあれだけ細かく描写しておきながら、あの終わらせ方はないだろう、と強い違和感を覚えました。(ここで☆が更にひとつ減る)
 現在、この映画、興業成績の一位をキープしています。特に、文句はありません。繰り返しになりますが、決して悪い映画ではないのですから・・・。しかし、今まで様々な題材を扱い、色々な問題を提起してきたイーストウッドの作品と比較すると、かなり物足りないものがあります。まぁ、このレビューを書いたところで、その物足りなさが解消されるわけではないのですが・・・。
 そういうわけで、映画本編に対する評価は☆3個となります。悪しからず。

bashiba