「一生に一度の映画」アメリカン・スナイパー ドラコ・マコフォイさんの映画レビュー(感想・評価)
一生に一度の映画
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戦争ものの映画は正直すごく苦手です。
大抵のものって、自国の勝利に向かって
仲間の死を乗り越えながら
主人公が英雄視される感じのが多いじゃないですか。
でも、この作品では焦点が違っていて、
戦争によって壊れていく精神状態や
帰国後の後遺症がテーマとなっていました。
しかもこれがノンフィクションと言うから驚きですよね。
戦闘の中で性別も年齢も関係なく死んでいく現実が
容赦なく突きつけられる世界は
まるでこの世のものではないようで、
一時帰国時に周りに広がる平和で満ちた世界との
ギャップに心が蝕まれていく様には胸が痛みました。
象徴的なとこだと
親子を射殺するシーンや、
一家がドリルで殺されていくシーンは
今でも脳裏に焼きついています。
ラストではせっかく後遺症を克服したにも関わらず
他の後遺症に苦しむ退役軍人によって
射殺されてしまうものでしたが、
あれは映画完成間際に起きてしまったらしいですね。
クリスさんは制作にも大きく協力しており、
この映画が彼自身のような人たちへの
支援になればと考えて、
同じようなことが繰り返されないようにという
メッセージが込められていたはずなのに。
エンドロールは追悼の意味を込めて
あえて無音で制作されたようです。
あまりの辛さから、
絶対に二度目は観れないと思いました。
そういう意味で一生に一度の映画です。
しかし、一度は観るべきと言える作品でもあります。
二度とこのような悲劇を繰り返さないために、
知ることから始めましょう。
R.I.P. 追悼の意を込めて。
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