「誤解する人がいても仕方ない」アメリカン・スナイパー Awareさんの映画レビュー(感想・評価)
誤解する人がいても仕方ない
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米軍の伝説的なスナイパー、クリス・カイルの苦悩を描いた映画……ということらしいのだけど、苦悩の部分は少し物足りない印象。いつの間にか立ち直っているようにみえてしまった。レビュー等々を見ていると、アメリカでも日本でも、この映画を「クリス・カイルを英雄視している」と受け取った人が結構いるようだが、そのせいもあるんじゃないかと思う。
クリス・カイルは自分が偉いなんて思いもしなかっただろうに、彼が死んだとき人々は星条旗を振って「英雄の死」を悼む。その本人と周囲の温度差こそが監督の視点なんじゃないかな。
私はたまたま「父親たちの星条旗」や「硫黄島からの手紙」を見たことがあったので、クリント・イーストウッドが戦争における英雄を賞賛するような映画を撮るわけがないと分かっていた。むしろ監督の見解は、「戦争に英雄など存在しないが、居るように見えるとしたらそれは作られたものだ」という感じなんじゃないかと思っている。しかし、この映画単体で観たときに、上記のようの誤解をする人がいても無理はないと思ってしまった。
戦場の乾いた空気感や銃を撃つ音など、臨場感があってとてもドキドキした。
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