ゲキ×シネ「蒼の乱」のレビュー・感想・評価
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馬と鹿
以前からとーっても観たかったのを、ゲキ✕シネ20周年企画のおかげで、ようやく観た! 天海ねえさん、超ステキ! うるわしい! 登場シーンとラストシーンの美しさに、うっとり♥ あと、「風の谷のナウシカ」のクシャナみたいな、女武者姿がかっこいい。異国の装いやら、様々なお姿を拝見できて、眼福にござる。次、「阿修羅城の瞳2003」も何があっても観る! ティ・ジョイ蘇我さん、1日1回上映はしかたないとして、火・木の時間はどちらかを昼、どちらかを夜、と今回のようにしてくれると助かります! 夜の場合、19時頃開始にしてくれるとなおうれしい。「メタルマクベス」が昼しか上映なくて観に行けなかったので、一応お願いしてみます。
平将門って、日本三大怨霊の一人だけど、なんでだっけ? この作品でも、世をすね人を憎むキャラじゃなかったけど、後世の人に怨霊とまで言われる理由が知りたい。将門小次郎は、純朴でおおらかで、でも少しイラっとくるところもあるが、松山ケンイチが爽やかに演じていた。都サイドに寝返り、俵藤太と名乗る時の衣装は「はて?」だったが。なんなの、あのオスカル風、似合ってはいたけどさ。
主演ふたりはもちろん良いが、脇も良い。早乙女太一はこの当時22歳だが、すでに色気がめっちゃ漂っている。殺陣も速くてスマートで、さらに弟の友貴とやり合うのもたまらん。いつまでも見ていたい。早乙女太一の殺陣だけを編集した映像があったら、永遠にリピートする。
平幹二朗はやはりどっしりしてますな。いるだけで引き締まる。蝦夷(えみし)とは、東北まで範囲を広げた北海道アイヌと思われるが、常世王はヤマト国家と対極の理想郷建設を試み、結局滅ぼされる。どちらかと言うと、将門より彼の方が怨霊になりそうだけどなぁ。
河野まさとが将門のいとこ貞盛を演じているが、道化みたいな衣装がかわいかった。平清盛が貞盛の子孫らしいが、ゆく末にそんな大物が生まれる感じが、まったくなかった(笑)。
一番笑ったのは、黒馬鬼。劇団四季「ライオン・キング」のパロディのようなデザイン。最高です! ゲキ✕シネ全作観てるわけじゃないが、橋本じゅんがここまでイっちゃってるの、他にないのでは? 将門が自分の言ってることをわかってくれない時の、必死な表情が愛らしかった。グッジョブ!
歴史のことを調べてみたら、元にしているのは関東での平将門の乱と、瀬戸内海での藤原純友の乱らしい。NHK大河ドラマ「風と雲と虹と」にもなっている。1976年制作で私は見てないが。史実では登場人物はもっと多いし、複雑な経緯もあるが、野心もない素朴な若者が、東国の王に祭り上げられ、反逆者として討たれる悲劇を、エンタメとしてまとめた素晴らしい作品。
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