「生の舞台とは違った魅力」ゲキ×シネ「蒼の乱」 えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
生の舞台とは違った魅力
ゲキシネ『蒼の乱』を鑑賞。
2014年に上演された劇団☆新感線の同名舞台のデジタル映像化作品である。
平安時代。朝廷の貴族たちが贅沢な暮らしを送る一方、地方では人々が重い税に苦しんでいた。渡来衆の長である蒼真(天海祐希)は武士たちに襲われたところを将門小次郎(松山ケンイチ)に助けられ、彼と恋に落ちる。夫婦となって小次郎の故郷である坂東の地へと向かったふたりは、運命に導かれて反乱軍の長となり、朝廷との戦いに身を投じていく。
ゲキシネは今まで舞台同様に途中休憩を挟んでいたが、今作から休憩なしの編集で上映時間を短縮する事に成功しており、同時に鑑賞価格も値下げされている。
相変わらず天海祐希の舞台での存在感は素晴らしい。
歌唱力はもちろんだが、何とも華があり女性が観ても惚れ惚れするであろう。早乙女太一の殺陣もキレッキレで見応え抜群。そして、平幹二朗の貫禄たっぷりな重厚感。
主演の松山ケンイチは舞台俳優としては今ひとつパッとしない感じではあったが脇を固める豪華キャストの助けもあり、結果的に素晴らしい作品に仕上がっていた。
生の舞台を観劇するに越した事はないが、チケットも高額だし、そもそも入手困難な劇団なので、1800円で観られると思えば決して高くはない。
劇団の新感線の舞台を観た事がない方にこそ是非映画館で観ていただきたい作品である。
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