「高速から一般道。」イニシエーション・ラブ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
高速から一般道。
ラスト5分のどんでん返しの謎が(あんなに宣伝されちゃあ)
どうにも気になってしまう今作ではあるが(原作未読ゆえ)
冒頭の「誰これ?」と思うあるヒトの登場から、なんとなく
話は読めてきて、伏線も張りまくられていることに気付く。
感想は、は~。なるほどね。巧いわね。と思った。
監督、キャスト、クサい演技も難なくこなして終わらせる。
いや~。恋愛って、怖いものなんですねー。なんて、
誰かが解説しそうな怖さはあるけど、これは男も女も同罪
というか、私は東京の女・美弥子の「恋愛に、絶対はない。」
が総てだろうと思った。ずっと、だの、永遠に、だのと、
結婚式でも誓いまくるが、それはその時はそう思っている
んだというだけで、絶対なんてものはどこにも存在しない。
まして人間の心なんて移ろいやすい。だから無理やり(失礼)
誓いを立てて私達は大丈夫です!と周囲に知らしめる訳だ。
恋愛(まして初恋)が叶って結婚した、という珍しいカップル
もいるだろうが、何十年も仲良くいるためには、相応の努力
をしてきたはずで、挫折や裏切りを乗り越えたかもしれない。
今作の主人公、繭子がとった行動は男性陣には恐怖モノ?
だろうか…いやいや、遠距離恋愛が齎す不安が疑心を招き、
果ては暴力にまで至るストレスだって女性には十分に怖い。
お前だって…と言いたくなるところも多かったし、結局は
離れてしまったのが運のつきだったのだろうか。観ていて
一番辛い気持ちになったのは妊娠のくだりで、ああやって
続いたカップルは私の周囲にもいない。悲しいよなぁ…と。
80年代がかなり懐かしくフィーチャーされている本作では、
音楽やファッション、懐かしドラマで楽しむことができる。
謎解き?以外は本当に普通の恋愛ストーリーだなと思った。
(リアル世代でも、ん?と思うところはあったけど、面白い)