「やっぱり映像化は難しい」イニシエーション・ラブ こめっとっとさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり映像化は難しい
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なぜか急にオススメに出てきて、そういえば見てなかったし、原作を読んだのは遠い昔でたぶん忘れている部分も多いし、再読の気分で鑑賞。
叙述トリックものの映像化はやっぱり難しいんだなという印象。
原作が手元にないので未確認だが、読んでいたときsideAの鈴木はガリガリで前髪が長いビン底メガネ君をイメージしていた記憶があるので、冒頭から鈴木Aの太っちょ設定に驚いた。個人的に、太っている方が生理的に苦手で、太っちょ鈴木に感情移入できなかったのが自分の中で評価が低い主な原因だと思う。ガリガリ鈴木なら「ピュアでカワイイなぁ」と思えたことが、太っちょ鈴木に対しては「気持ちわるっ!」てなってしまった。なんという偏見。
しかし、sideBの鈴木=松田翔太さんと同一人物だと錯覚させるために必要な設定変更だったんだとも思う。太っていて冴えなかったけど痩せたら実はイケメンだったというのはよくある設定だし、実写では別の俳優さんが演じることも多いから、そういう演出だなって誤認させることができる。叙述トリックを映像化するための苦肉の策だったんだろう。
ラストの時系列を並び替えてダイジェストで種明かしするところは親切だし、映像化ならではの演出なのでよかったと思うが、鈴木Bが静岡に戻ってきちゃって鈴木AとBが鉢合わせしてしまうのは蛇足。イニシエーションラブとは??おまけにそのシーンで繭子が鈴木Bを「たっくん」と呼んでしまったので、余計に主題から離れてしまったように感じた。
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