「もうひとつの戦時中。」この国の空 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
もうひとつの戦時中。
高井有一の原作を荒井晴彦が脚色監督した作品。
終戦間近の東京杉並。母と娘の2人暮らしのところへ母の姉が転がり込んでくる。
彼女たちの隣に銀行員の男が住んでおり、彼は妻と子を疎開させていて一人暮らし。
この2軒の家のまわりで物語は進む。
といっても物語は、戦局悪化のなか、市井の人々がどのように生活していたかを丁寧に描く。
里子(二階堂ふみ)と隣の市毛(長谷川博己)が惹かれあっていくのが中心に据えられていたわけではなく、あの時代の人々、を描いていた。
晩年の黒木和雄のタッチに近い。
深い映像と演技陣の頑張りで、同時代を生きた気に少しなった。
二階堂ふみ、長谷川博己はもちろんいいのだが、里子の母の工藤夕貴、叔母の富田靖子もよかった。
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