「布ファイルと」この国の空 かぴ腹さんの映画レビュー(感想・評価)
布ファイルと
クリックして本文を読む
蚊取り線香のぶたが戦中からあっと知り感心しました。
出だしはセリフ詰めすぎ。言葉遣いが違うので、ただでさえ演技っぽくなるのに、それが強調されてしまう。東京人で戦時中とはいえ、あまりにも早口。原作が文学だどやりにくいだろうが、言葉の代わりに画面で説明しないと映画ではない。
画面は二階堂ふみのかわいさのほかは貧困。とくにタイトルにもかかわらず、空の絵からはなんの印象も受けない。
濡れ場も身長差がありすぎて不恰好。もっと工夫できなかったのか。替玉とわかるおしりを見せられてもまったく意味を理解できない。
音楽も昭和を意識したのだろうけれど、ただの安普請に聞こえてしまう。
よかったのは食事のシーン。食欲が愛欲を暗示しているのはよくある伏線だが、食料難の時代の食事と愛欲の渇望が重なり合うのはうまく表現されていたと思う。ただこの生々しさは終戦記念日を前に戦時を偲ぼうと観る映画としてはそぐわなかった。原作を知っていればそんな間違いは犯さなかっただろうが。
いずれにしよ、これだけ豪華なキャストでこれだけ期待を裏切られるとは思わなかった。またしばらく戦争に関する映画は観ないだろう。
コメントする