「フィクションなら良かったのに」エベレスト 3D Awareさんの映画レビュー(感想・評価)
フィクションなら良かったのに
クリックして本文を読む
死者が大勢出た実際の遭難事故に基づく話だというのはチラと聞いていたけど、その辺は触れる程度で、どっちかというと3Dの大迫力で雪山体験! みたいな娯楽映画かと思ってた。CMや予告もそんな感じにみえたし。
好きな俳優さんもいっぱい出てるし、アトラクション気分でぶらりと観に行ったら全然違った……。
つらい。つらすぎる。確かに雪山の過酷さは嫌というほど伝わってきたし、ジェイソン・クラークはじめ俳優さんの演技も素晴らしかったが、さほど昔でもない事故なだけに、これを観て面白いとかつまらないとか言う気になれなかった。これは、映画というエンターテインメントとして成立してるのかな?
エベレスト登山の商業化に警鐘を鳴らしたいのは分かる。でもその題材として実際の事故を取り扱い、さも娯楽映画のように大々的に宣伝して興行収入を得るならば結局ブーメランじゃないのかなって思ってしまった。
ジョシュ・ブローリンが演じていた人は生還しているのに、中では一番やな奴みたいな感じにみえたのもつらかった。
フィクションでやってほしかったな。
たぶん来年、日本ではもう暖かくなってるころに、この作品はソフト化されセルやレンタルで出回るのだろう。
自宅でゴロゴロして、コーラとか麦茶とか飲みながら、「雪山怖いねー」なんて言いながら観るのかなあと思うと、何だかなぁ、という気分になるのだった。
コメントする