「オリンピック直前のリオデジャネイロでの話」トラッシュ! この街が輝く日まで kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
オリンピック直前のリオデジャネイロでの話
今年はプレオリンピックイヤーだから、つい東京のこととも比較してみるけど、やっぱり大きなイベントの裏には何かが隠されているものだ。少年たちは財布を拾い、最初は現金だけ抜き取るつもりだったが、警察が血眼になって財布の行方を追っていることから、重大な秘密があると悟るのだ。
少年たちが撮ったビデオメッセージとほぼ同時進行して進む物語。まずは最初に拾ったラファエルがマークされ、警察に暴行を加えられる。そこまでするくらいだから、何かあるはずだとますます冒険心を掻き立てられていく姿がとても純真で素晴らしい。彼らが暮らす教会の牧師がマーティン・シーン、英語教師を演ずるのがルーニー・マーラと脇もしっかり固められ、訴えてくるメッセージが心に刺さる。
ホームレス同然、学校へも行けない、病院もないといった貧困スラム。一旦警察に目をつけられたら何も怖くなくなり、正義を信じて謎を究明していくのだ。手紙の宛先が囚人ではあるが元弁護士。警察に拷問され殺されたジョゼ・アンジェロもサントス市長候補お抱えの弁護士だったが、癒着や賄賂を告発しようとボスを裏切ったのだ。刑務所に行き、刑務官からは高額の賄賂を求められるが、それも自らの信念に基づいて正しいことだと信じる少年たち。やがて暗号を解き、霊園へと向かい、そこでジョゼの娘ピアと知り合う。
最後はすかーっとさせられ爽快感あふれる作品ではあったが、ブラジルの貧困の実情を知る上でも勉強となった。警察は平気で貧乏人を殺すし、ゴキブリとしか思っていないという悲しい現実。誇張はされているだろうけど、どこでも似たような状況なんだとしみじみ感じた。
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