「【妻子持ちの男にとっては、ヒジョーに辛い気持ちになる映画。リューベン・オストルンドの映画は、鑑賞後は心穏やかではいられないのである・・。】」フレンチアルプスで起きたこと NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【妻子持ちの男にとっては、ヒジョーに辛い気持ちになる映画。リューベン・オストルンドの映画は、鑑賞後は心穏やかではいられないのである・・。】
ー リューベン・オストルンドの映画は、人間の深層心理にある”罪悪感”を呼び起こす・・。ー
◆感想
・フレンチアルプスにスキーリゾートに来た、トマス&エバ夫妻と幼きベラ&ハリーに起きた”ある出来事が切っ掛けで、夫婦関係、親子関係に不穏な空気が立ち込める、心理劇である。
・冒頭から、表層雪崩を人工的に起こす爆発音が、何度も起こる。
◇作中、頻繁に流れる”ヴィバルディの四季”の激しく弦楽器が掻き鳴らされる”夏”が、この不穏な空気感を煽り立てる・・。
・自らが、咄嗟に取ってしまった行動により、ドンドン心理的に追い詰められていく、トマス。
ー 翌日の子供達のよそよそしい、態度・・。ー
・エバは、夫の行動が許せずに、何度も詰問する。認めない、トマスに対しトマスの友人、マッツとその恋人に、”その動画”を見せる・・。
”トマスを呼んだ‥。でも、彼はいなかった・・。”
ー もう、止めてあげて・・。ー
・そして、トマスの友人、マッツとその恋人にもその影響は波及するのである。
・マッツはトマスと、新雪のパウダースノーを楽しませるためにスキーに連れ出すが、トマスの家族は来ない・・。大声で、ストレス発散を試みるが・・。
・到頭、トマスは
”こんな性格は、捨てたい!”と妻の前で号泣する。それを聴きながら涙する子供達。そして、パパの元に・・。
・最終日、トマスはホワイトアウトに近いゲレンデに家族を連れて行き、先頭に立つ。エバが迷子になり掛けるが、トマスが助けに行く。そして、トマスがエバを助け・・。
ー ヤレヤレ、これで一家は大丈夫・・、と思いきや・・。下りの山道で、今度は、奥さんが・・。
本当に、リューベン・オストルンドは、意地悪だ・・。ー
<身近に起こりうる些細な出来事を、人間の深層心理に基づいた行動学、もしくは社会心理学的な視点で、ブラックユーモアたっぷりに見せるリューベン・オストルンド監督が、一気に名を上げた作品。
苦笑いを浮かべざるを得ない、嫌ーな気分にさせる、オストルンド節全開作でもある。
次作は、もっと嫌ーな気分になります・・。>
NOBU さんこんにちは
以前ちらっとコメントでオススメ頂いたこの映画。ついに観させていただきました。
血も凍る映画でした。
NOBU さんのことは大好きですが、この映画は大嫌いです(笑)
また面白い作品を教えて下さい。
きりん
子供のことも気にかけず、一人でトットと逃げるなんて、許せないですよ。ずーと言われ続けるんでしょうね。
でも、奥さんも最後バスを降りて歩く時、だんなも子供も気にかけず、一人でさっさと歩いていったんだからお互い様?な気もしますがね。
アメリカ版もあるから楽しみです。