草原の実験のレビュー・感想・評価
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隠れた名作では?
掘り出し物!! いい映画みつけた。 旧ソ連のカザフスタンで実際に起きた出来事にインスピレーションを受け、作られたそうです。 草原にある小さな家に父親と住む、ある少女。 ここで、ひそやかに幸せに暮らしている少女の生活に、思いがけない暗い影が忍びよっていた… タイトルで、だいたい想像ついたけど、思ったとおりの結末だった。 この映画は、セリフがありません。 セリフがないのに、いや、セリフがない事が最高の武器になってると思う。 そして、緻密に計算つくされた美しい画が素晴らしいです。 寡黙な少女を演じた、主演のエレーナ・アンの、美しさ、存在感。 もっと多くの人に知られるべき作品だと思う。 皆さんに、ぜひ観て頂きたい、オススメ作です。
出来れば事前知識を入れずに見て欲しい。
事前知識なく、タイトルとサムネイルの美少女に惹かれて観賞。正解だった。 台詞は一切無く、淡々と父親と二人で暮らす草原の少女の生活が映される。 父親は仕事らしきところに行っては帰ってくる。幼なじみの馬に乗った青年とカメラを持った青い目のロシア系の青年、二人はどちらも少女に好意を抱いているらしい。地平線から昇り沈む日が美しい。 軍人らしき男達が父親を訪ねてきたあたりから不穏さが漂い始める。 タイトルの意味が最後にわかる。何が「実験」なのかはその目で確かめて欲しい。
何も語れない
何も語れない。
映像が素晴らしく綺麗。幻想的。しかし、怖い。
自然では無かったのか?
2024年10/30 18時00分から
19時30分 2回目の鑑賞。
今日中に配信終わりそうなので。
タルコフスキーの『サクリファイス』を大いにリスペクトしている。
カザフスタン共和国のバイコヌールに行きたいと思っているが、行けないそうだ。
青春はカタストロフによって時間を巻き戻される。そして、亡霊が蘇るって言いたいのだと思う。
台詞なく映画は成立するのか?「実験」ってそういうことか、納得してた...
台詞なく映画は成立するのか?「実験」ってそういうことか、納得してた。まさか… 少女の面影を残しながらしっかり美形の主人公の魅力にやられた。ずっと見ていられる。 彼女を奪い合う男2人のダッサイ喧嘩、アレなら私も参戦できそうだ(笑) ストーリーはなさそうでありそうな、あっても意味が無さそうな(笑) できるだけ情報を入れず、ラストの衝撃を味わいたい、それともちろん主人公。そんな作品。
英語版タイトルは『Test』
練られた構図・色調・レンズワークから殊更に美しい映像を生み出し、その映像美と人間の醜さを対比させることが作品のテーマと言えます。 スクリーンに切り取られるのは無限に続くかのような美しい草原と一軒の小屋、美しい少女。そして醜い男達です。父(説明はないです)は娘の美麗と対極にある小太りな醜男。行動も意味不明で観ていて生理的嫌悪感を覚えますが、少女は嫌な顔せず世話をやきます。 若い男が二人。ひとりは馬に乗りスリムな体躯ですがやはり醜男。クセ毛の西洋人は愛嬌のある顔立ち。若い男らはある理由で争い、酷くみっともなく争う姿が描かれます。男らは少女の美しさと常に対極的に提示され、そして映画の最後には最も醜い人間のおこないが描かれ全てを呑み込み終幕します。最後まで誰一人台詞を発しません。 映画そのものは難解ではありませんが共感を生まないシーンも多く、メッセージの為だけにこれだけの美しい映像が費やされたことについては、なんとも言えない気持ちです。 p.s. 映像美だけを評価すれば5点満点中6点を与えたいほどです。
【大自然の美の中で行われた愚かしくも恐ろしい”実験”に対して、台詞無くも強烈な怒りのメッセージを示した作品。美しき少女の序盤は柔らかな表情から後半怒りを湛えた表情と瞳が印象的な作品でもある。】
ー 冒頭、アジア系の父とロシア系の血が混ざっていると思われる美しい娘(エレーナ・アン)が住む大草原に沈みゆく夕日が映し出される。
その後も、乾き切った草原の中の用水路に水が流れて来るシーンが描かれ、この映画は大草原に生きる親子の映画かと思う。
が、その後、少女が大切にしていると思われる押し葉を貼り付けたスクラップブックを少女が大切に開くシーンが描かれる。
草原には、葉を纏う木は一本もなく、枯れ木が一本あるだけなのに・・。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・そして、少女の父の元に軍人たちがやって来て、ガイガーカウンターで数値を測っている。
このシーンで、この映画の監督のロシア人アレクサンドル・コットがこの映画を台詞無しで製作した意味が、ぼんやりと頭の片隅を過る。
だが、未だ曖昧ではある。
・父は容体が悪くなり、少女に正装をして貰ってから亡くなる。父は、勲章を胸に大地に埋葬される。父は、旧ソ連の核実験に携わっていた事が類推される。
前半の各シーンの意味がやや分かって来る。
・少女の元には、地元のアジア系の少年とロシア系の少年が想いを寄せて来る。だが、少女は最初からロシア系の少年が好きなようだ。父が生きて居た時に、二人で食卓を囲んだ時のロシア系の少年を思い出したかのような、少女の微かな微笑みからそれが分かる。
僅かなる幸せな一時・・。
<だが、ラストシーンの大草原の彼方に立ち上るキノコ雲で全てが氷解する。
この映画は、旧ソ連がカザフスタンで何百回も行った核実験への、強烈な怒りを込めた作品なのだ。
少女と生活を共にするようになった少年がバク転をする湖は、核実験によって出来た人口湖なのだ。
アジア系の少年は爆風の中、怒りの表情で突っ込んで行く。
そして、爆風は全てを吹き飛ばすのである。
その後に夕日が”上り”又、地平線に沈むのである。
今作は、大自然への畏敬を忘れたかのような、愚かしき”実験”に対する強烈な怒りを示した作品なのである。
エレーナ・アンが演じた美しき少女の、序盤は柔らかな表情から、後半怒りを湛えた表情と瞳が印象的な作品でもあるのである。>
美しく恐ろしい映画
セリフも音楽も解説も、登場人物の名前や、年齢も分かりません。 ポツンと一軒家を超える何も無い草原で暮らす2人の親子が主人公です。そこで暮らす日々の淡々とした生活そして出会い、恋愛、別れとストーリーが進みラスト…衝撃的です。 全編通して、とにかく少女が美しく、映像が美しい。キャストの演技も素晴らしいです。 ラストまで引き込まれていきます。写真の風景を見ている感覚になります。 ストーリーも、映像を見て感じ取る映画だと思います。 中盤から、軍隊が来て放射線量を測る所から、不穏な雰囲気が押し寄せてきます。題名から予想される通りに、この映像美を見せらてからなので、ラストはショッキングが半端ないです。 解説や、セリフが無いゆえに旧ソ連で行われた核実験がどうだったのか?と興味が湧いて来ました。 エンタメ感はなく、好き嫌いに分かれてしまうと思いますが、久々にこの様な映画に出会えて良かったと感じました。
事前に内容を知らないで鑑賞されることをお勧めします。
事前にあらすじをしっていたら「★★☆☆☆」でした。
旧ソ連時台の実話をもとに製作された実話映画です。
ほとんど会話はありませんが、わめいたりはします。
映画好きのファンの方ならお分かりになると思いますが。出演者のすることや、身なりに細かい違いがなどがあります。
父親は当初高校球児ぐらい丸ボーズでしたが、映画がしだいに進むにつれて髪の毛が長くなったり、娘が家を引き払ってトラックで逃げるとき荷台の「カーペット」があったりなかったりします。
また、父親が亡くなりに荼毘(ダビ)に伏せたあと、一人トラックで実家を引き払おうとY路地へ向う娘ですが、エンストしていまいトボトボと草原を脱出しようとするが当局が張り巡らした有刺鉄線に阻まられ出れない。ようやく歩いて家に引き返してきて「青い目」の子と外のベンチに寄り添って座っているときに[それが起こった]🔥🍄
簡単に内容を言うと「ターミネーター」の「子供たちが公園で遊んでいる時の状況」ようは壮絶な事が起きる。数十秒ですべてが灰になってしまう。
「プライベートライアン」や「ターミネータ」や「プレディター」などは何度か見ても飽きないが、この「草原の実験」は1度みれば十分だと思います。
この映画は「名作では」ありません。
私が映画を観終わって参考にしたプレビューがあります。
それを観て納得できました。
監督の意図は印象に残る映画にしたかったのだと。。。。
リンクは張れないので参考になるキーワードをお知らせします。
『分からなかった人のための草原の実験』
です。
ご参考までに。。。。。。
なによりも雄弁に語りかける映像美。
草原に広がる大量の羽毛、その中にはテーブルのみがただ佇んでいるのみ。周りにはがれきが広がっている。いったいこの地で何が起こったのか。
大草原にポツンと佇む家に住む父と娘。平穏な日々の暮らし、自然のいとなみ、静かに流れる時間。ここにはある意味世界と隔絶した彼らだけの世界があった。
何百年もの間、先住民族の人々はこの地で自然とともに暮らしてきた。そこでは日々変わらぬ静かな時間だけが過ぎていった。
やがて、父は病で倒れ一人ぼっちになった娘。そのいいなずけと婚姻の儀式を結ぶ。しかし、娘は旅人の青年と恋に落ちて二人は結ばれる。
当たり前のように繰り返されてきた人々の日常。それはこの地でこれからも永遠に続くと思われた。
しかし、無情にもこの世界とは違う邪悪な世界はそんな彼らの暮らしをものの見事に破壊する。
悪魔の火によりすべてが一瞬で消え去った。あの美しい自然もあの美しい娘も。
旧ソ連時代、セミパラチンスク核実験場で繰り返された核実験は機密事項として周辺住民にその危険性が一切知らされなかった。何百回と行われた実験により周辺住民は数百万人単位の人々が放射線被害を受けた。
全編にわたる美しい映像、これらの映像とは対照的に愚かな人類による蛮行をまざまざと見せつけられる。
映像だけでこの世界の残酷な不条理を見事に描いた佳作。
ちなみに邦題はほぼネタバレであり、これは酷過ぎる。
1986年大林宣彦制作の「野ゆき山ゆき海べゆき」を思い出した。 当...
1986年大林宣彦制作の「野ゆき山ゆき海べゆき」を思い出した。 当時の鷲尾いさ子はこの主人公と同じような不思議な雰囲気を持つ美少女。 無言とまではいかないが無口だし、最後には原爆シーンもあるしで、 背景や流れが全く違う作品ではあるが「戦争」や「軍」に憤りを感じ、 雄弁でない主張をする両作品に同じ匂いを強く感じた。
3.8 芸術系映画
とても芸術的な創作を感じる映画。その映像の映し方、表現、セットや風景までも幻想的。自然そのままというわけではなく、かなり創作をしており、よくこんな表現思いつくなと思った。
どこかフィンランド系の映画賞を取るようなアニメ映画に似たエッセンスを感じた。
最初に16+と出るし、映画の紹介で「突然、その平穏が打ち破られる」とあって、これ胸糞展開来るのか!!!と何度も身構えた。変な警察っぽいのが来たときに、ここで娘見つかるなら胸糞確定演出だろ!!と思ったが、最後まで映画ジャンル全般で言えば”平穏無事、また見たいぜ!”と思える程度に終わってよかったと思っている。
全般的に「核実験」に関するテーマが内在しているが、個人的にはその映像美、黒木メイサ風の娘のナウシカに出てきそうな幻想性が評価の高い作品。
途中、結婚衣装かなと思ったけどあれは民族を出るという意味だったのかもしれない。やはり幼なじみは男として見れないってやつだったか!!個人的にはモンゴル系ワイルドマッチョのほうが好きだったけど、世界に憧れを持っている少女には響かなかったのかもしれない。
そうした背景美術でストーリーを語るところも良かったですね。
最初に出てくる羊を枕にして昼寝するシーンが最高に良かった。
徹底的沈黙を通じた視覚の復権
本当に衝撃的なカットがいくつかあった。 一つは冒頭の飛行機のシーン。雲海を悠々と曳航しているかと思いきや、実は少女が塀の上に並べた綿が雲のように見えていただけだった。少女の他愛ない遊戯と撮影のトリックが、地上で静止している飛行機をあたかも舞い上がっているかのように見せていたのだ。この視覚に対する古典的な、それゆえむしろ鮮やかな裏切り。無声(この場合はセリフがないこと)という欠損を穴埋めできるだけの映像的魔力がこの映画にはあるんだぞ、ということがここで高らかに宣言されている。 もう一つは少女がサイドミラー越しに少年の姿を発見して微笑むシーン。そこでは言葉と文字の氾濫によって映画という媒体から久しく失われてしまっていた非言語的な幸福性が示現している。 思えば映画というものは、『ラ・シオタ駅への列車の到着』や『月世界旅行』といった黎明期の傑作を見ればわかる通り、視覚的な驚きを出発点として開始された一種の見世物だった。それがいつしか言葉を獲得し、思想を獲得し、やがて文芸へと成熟していった。 そして今や映画は言語なくしては成立しない境位にまで足を踏み込んでいるといっていい。いくら長回しを基調とした寡黙な映画であってもセリフがまったくないというのは極めて稀だ。そうした時代性の中で視覚的な驚き、すなわち「動き」の面白さを「無声」という極端な自己抑制を課してまで復権させようという本作の試みは面白い。 ただ、どれだけ本作が無声映画として傑出していようが、映画史という大局において今更有声映画と無声映画の地位が逆転することはおそらくない。草原の静謐の中で少しずつ丹念に丁寧に積み上げられてきた少女の生活がたった一発の爆弾によって簒奪されるさまには、あるいは昇りかけたかと思えば再び稜線に沈み込んでいく太陽には、さながらそうした諦観が反映されているような気がした。 とはいえ爆弾も太陽も絶望の表象としては少々凡庸な気もする。もう少し示唆の領域に踏み留まってもよかったんじゃないか。例えば爆弾投下の予兆として家のガラスにピシッと亀裂が走るシーンがあったが、あそこで映画を終わらせていたほうがむしろ受け手に手触りのある緊張を与えることができたんじゃないかと思う。
70点
はじめは、ん?奴隷かな?
途中の分かれ道で降ろしたぞ?
馬の男が一緒に逃げるか?的な?
いや、家まで送ったぞ?
と映像だけやから想像させられた!
良い方にも悪い方にも傾いたが
最後は悲しすぎた
一瞬やねホンマ
木っ端微塵のあとの虚無感
台詞がない」ことと、「驚きの結末」ということ意外には、何の予備知識もなく見に行きました。
タイトルから、人体実験の話とか実は外の世界は滅びているのかな、なーんてSF的な展開を想像してみたり。
見事裏切られましたね(笑)
映像が始まったら、あれこれ邪推せずに自然の美しさや丁寧な生活の描写の流れるままに、心を委ねました。
羊の毛の柔らかさを想像し、水が土を這う様に喉の乾きを覚え、かさついたパンと羊の肉に食欲を、毎日同じことの繰り返しの中に漂う幸福を感じながら。
そしてこの話はどこでオチがつくのかと考え始めたところで、唐突に終わりを告げたラストには、予想していたより遥かに鮮烈なショックを受けました。
兵隊が登場したあたりから不穏な空気が漂ってきていたので、「そっち系の話かな」とは思いつつも…。
風が揺らすカーテンのたなびきも、傾いだ家のそこここから漏れる太陽の温もりも、淡い恋の睦み合いも、木っ端微塵に吹き飛んだ後の虚無感。
悲しいとか苦しいとか切ないとか感情がまったく浮かんでこない。
小さな脳みそで繰り広げられる個々の世界など、あの暴力的なエネルギーの前では存在さえ無かったに等しい。
きっと宇宙空間に放り出されて目の前で星が爆発したとしたら、その瞬間なんの感情も湧かないんだろうと思う。なにかそれに似た感覚。
報道写真でよくみられる、大規模な戦禍のあと廃墟の前に佇む人の顔が、みな揃って虚ろな理由がわかるような気がする。 人間的な感情は、それが「人間の所業」によるものだとようやっと実感してから、後から後からわいてくるのだと思う。
帰ってからチラシをみたら、そこここにヒントが書いてありましたね(笑) 。
アンドレイ・タルコフスキーを彷彿とさせる、旧カザフスタンであった実話をベースに…などなど。 セミパラミンスク核実験場がベースでしょうか。
主役のエレーナ・アンは、今は父親と共に韓国に移り住み、韓国語を習っているそうで、女優業には興味がないそうです。勿体ない…。
しかし映画のアンより大分印象が違う…特に目のあたりが… あのときのアンの魅力があってこその、映画といえるでしょう。 彼女のしなやかな清々しさが、ある種のファンタジーさを映画に添えています。
きれい
ロシア語の勉強に…と、思って何作かロシアの映画を借りてみたうちの一作‼︎‼︎ いつ、セリフが出てくるのかな⁇ と、思いながら見初めて、も、もしやこれは…‼︎‼︎ サイレントムービーなのか…!? という感じでラストを迎えました(笑) とにかく、きれい! 景色も家も、空の色も、なにもかも! こんな美少女見たことない!惚れ惚れする美しさ。どこの国なのか知りたくて、説明を見たらカザフスタンだったんですね。 綾取り、久々にやりたくなった(笑) そんなような映画でした。 あんな雰囲気の家、素敵だなあ。日本でああいう雰囲気のカフェがあったら絶対、入りたい、そわな味わいの家でした。
タイトルと場所で…
大体どうなるかは予想できたので、驚きはなかったです。面白いかというと、う〜ん…ですが、ヒロインの子がすごく可愛く、その魅力で星三つになりましたね。
この映画は残酷さを表現するためには、あの美少女が絶対必要でした。
そういった事を考えると、美少女(エレーナ・アン)をキャスティング出来た時点でこの映画は勝ちでしたね。
実験とはそういうことか・・
何だか凄い映画だ。少しは状況の説明が欲しいものだとは思ったが、耐えて耐えてラストまで、あのヒロインのように。どなたかのレビューにあったように、冒頭のシーン見直してみた。そうかここはすでにエンディングだったのか。
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