ナバットのレビュー・感想・評価
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この人は孤独じゃない。
戦火に巻き込まれた村に一人残る老女ナバット。
夜、無人の家々を回って窓辺にランプの灯りを灯す。
戦闘に巻き込まれることを避けるために、他の村人は全て避難したのに彼女だけが留まるのはなぜか。彼女は兵士となった息子の帰りを待ち続けている。息子にとってたった一つのふるさとであるその家で、ナバットは帰りを待たねばならないのだ。恐らくはもう生きてはない自分の息子を待っててやらなければならないのだ。
だが、オオカミが戦場を去ろうとしない理由が、生まれたての子供があることを理解したナバットは、まるで仏陀のような行動に出る。
周囲に誰もいなくなった人が孤独なのではない。誰かの為に自分がそこに存在する意味を知っている人は孤独ではない。
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