メルボルンのレビュー・感想・評価
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抜群の脚本
カメラは主人公の夫婦が住むアパートの一室をほとんど出ない。冒頭とラスト以外は、全てアパートの中で撮影されている。
しかし、これが面白い。おおよそ近所付き合いの中で最も起きて欲しくないアクシデントが、しかもその日の午後には移住先のオーストラリアへ出発するという大切な日に起きてしまう。
自分にはほとんど責任がないことを分かっているにもかかわらず、意味のない時間稼ぎのためについた自らの嘘に振り回されることになる。
映画に携帯電話が出てくるとその冷たい振動音に興醒めするのだが、この作品ではとても効果的に使用されている。物語を運動させるのは、携帯電話をかけてくる親戚や玄関から入ってくる人々である。これが実に小気味よいタイミングで、アパートの中で煮詰まった二人に転機をもたらす。
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悪意の無いアクシデントをとっさにごまかし続けているうちに、どんどん...
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悪意の無いアクシデントをとっさにごまかし続けているうちに、どんどん悪くなっていく状況。次々と意見が入れ替わる2人の主人公。引っ切り無しの訪問者。コントにも落語にもなりうるプロットが重厚な心理サスペンスに。洗面所や台所で水に触れるたびに、触れた方が善性に目覚めていたけど、水が止まってしまって、2人とも出ていくというのは良く出来ていたなあ。
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