「・・・おぞましいよ」家族はつらいよ エイブルさんの映画レビュー(感想・評価)
・・・おぞましいよ
「男はつらいよ」の軽妙なコメディを期待したが、間違いだった。つくづく日本人の家族は、それ自体がもう悲しく、軽快なコメディ、には向いていないと感じた。だとすると、渥美清はやはり大名優だったことになる、そうつくづく痛感する。今回の、橋爪功もいい顔しているものの、主演に据えるには地味。
また、山田洋次老は84歳、仙人の域に達したと思いたいが、蒼井優の造花のひまわりの咲いたような胡散臭い笑顔にかどわかされて骨抜きになってボケてしまっているようだ。
ツッコミどころが満載なのだが、あまりにその度合いがひどく、このレビューで批評家ぶったドヤ顔で何か文句言おうとする自分にも、老人に冷水浴びせるようで、嫌気がさし、口をつぐんでしまう。
たけしもそうだが、最近の邦画でコメディをやろうとするのは高齢者ばかりゆえか、テンポが遅くて、痛々しく見ていられなくなる。
ただし、ようやく家族が一堂に会しての会議の様子だけは、求めているバカバカしさがテンポ良く出ていて、面白かった。
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