劇場公開日 2016年2月13日

  • 予告編を見る

「面白い!でも…もっと面白く出来たはず。」ゾンビスクール! 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0面白い!でも…もっと面白く出来たはず。

2016年5月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

近年一番頼りになる男イライジャのお仕事、十分に面白いのだが…「もっと面白く出来たよね!?」という思いが勿体無くてならない一本。

近年の日本でも「デス・マス」で話すことが出来なくなった肥大自意識のガキンチョ(を躾けられない親世代が大問題なのは、洋邦問わずの大問題なのだろうが)がゾンビ化し、それをいわゆる「負け組」のボンクラ大人がぶちのめすという目の付け所は秀逸だし、爽快だった。
台詞回しの数々(「ホビットか!」は抜群笑)や過去の作品へのオマージュ(コマンドー!)、ギークな小道具(ゴライオンが!)など作品・ジャンルへの愛。
そして何より出演する役者たちが、心の底から楽しんで演じている(近年だと『ネイバーズ』くらいだったね)はジャブジャブ溢れるほど感じるのだが…

「とにかくテンポが悪い」

ここが一番自分が引っかかった点だったのが、とにかく残念。
ボンクラを描くことに腐心し過ぎ、非常事態に劇中の3/4を中途半端な主人公たちの右往左往で塗られるのは、本当に観ていてフラストレーションが溜まるばかりだった。
『バカ』と『知性』、どちらにも振り切れない中途半端な泥試合と言ったら解りやすいだろうか。
「いいから早くヤッチマエ!」と何度も叫びたくなる不満が溜まる。

もしこれがオランダ映画「ターボ・バスターズ」張りに一本突き抜けて。
「ガキ?いやゾンビでしょ?ヤッチマエ!」というキャラが一人いれば。
濃縮して60分くらいに刈り込めて、稀代の爽快作になったかもしれないのに…
と思ってしまうのは、自分の我侭なんだろうけれど思わずにいられないのが口惜しい。
危機的かつ倫理を問われる状況で「グズグズと騒ぐだけのボンクラの群れ」を観るより「突き抜けた馬鹿を、ボンクラがどう止めながら右往左往するか」の方が面白いと思うのだが。
(『ハング・オーバー』で言う「アラン」が不在なんだよ)

「やれば出来る子」故にキツく当たってしまうのが申し訳ない作品。
「『ゾンビ・ランド』を超える」云々の宣伝文句は嘘マンパチだと思うけど、超える要素はいっぱいあったのにな…

コメントする
レビューも書かない阿呆からのフォローは迷惑千万、好きこそモノのヘタレなれ