ギリシャに消えた嘘のレビュー・感想・評価
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パトリシア・ハイスミス
リプリー同様、パトリシア・ハイスミス独特の見終わった後味がある。後味が悪いわけではなく、分からないという感じともまた違う独特な感じ。
俳優陣が良いからだろうか。
原題、The Two Faves of Januaryはギリシャ神話の反対向きの顔を持つ双面神ヤヌスから。
リプリーっぽいって思って見てたら
原作者が同じだった
役者さんが上手くて良かった!
Netflixのリプリーのスーツケース2つを持ち歩くオトコが同じでシンクロして見ました
成り上がりなのも同じ
何となく懐かしい作りも逆にいい感じでした
キルステン・ダンスト ピゴ・モーテンセンやっぱり魅力的でした
YouTube吹き替え視聴
堕ちていく男と女
役者はみんないい仕事をしている。
でも、予告に騙された。もっと、一転二転三転ありのサスペンスかと思ったら、意外にストレート。
「消えた嘘」???ってあれのこと?
もっと別の、人間の内面をえぐってみせてくれるような、自分自身と向き合わされるような”嘘”ーギリシャ悲劇にも相当するーを期待しちゃったよ。
単に私が読み取れていないだけなのか。
邦題も思わせぶりだけれど、だからと言って原題ほどの深い意味は映画では描かれていない。
ライザックとチェスターの関係や二人の過去を思わすような内面のエピソードがあったら「ヤヌス」っぽくなったんだろうけれど…。
役者に頼りすぎたかな。
単なる逃走劇?
傍から見ているとわざわざ泥沼に足を踏み入れる決断ばかりで、ハラハラするし、見ていられなくって、もどかしいが、
当人たちは状況が見えてなくって、お互い頼りにするしかないのに、疑心暗鬼で、もがいている様子が迫真。
目先の利益に翻弄される主人公たちの浅はかさと相まっていい味出している。
『太陽がいっぱい』の原作者の別の小説の映画化とな。
『太陽がいっぱい』の主人公が犯罪を犯してしまう過程に共感ができるからこそラストが切なくて切なくてしかたがないのに対して、この作品の主人公たちが犯罪を犯す・関与する過程に共感ができない。それで、醒めてみてしまうのかな?
映画のキャラクターの魅力っていうより、役者の魅力で、先を見たくなる。
ギリシャが舞台。
観光名所ではなくとも、そこかしこが神々の寓話と日常生活が重なる世界。
とはいえ、
欧米文化には基礎教養かもしれないが、
日本人には(私には)、有名なモチーフこそアニメや漫画で繰り返し取り上げられているが、
ギリシャ悲劇も『イーリアス』も『オデュッセイア』もなじみが薄い。
なので、本歌取りのように、もう少し元ネタをにおわせてくれると味わえるのだが、描きすぎてもくどくなる。難しい。
原作未読。
脚本はいいのかもしれない。
役者は良い仕事をしている。
でもね、
見て損ではないが、これだけの名優を揃えて期待外れ。
二転三転の展開に引き込まれる
父親は知れば知るほど幻滅していく。というセリフがこの男にも重なる。ラストのセリフがそれを表している。どういう展開になっていくのか予想がつかず引き込まれていく。ギリシャの街並みも綺麗で合わせて楽しめる。
ギリシャの町並みと、画になる俳優陣
詐欺によって大金を得た夫婦が ギリシャに観光に来るが、追手によってその歯車を狂わされてゆく。
紳士的で格好良いヴィゴ・モーテンセンと、セクシーな魅力全開のオスカー・アイザック!もぉ観てるだけで目の保養に(笑)。
ただ、少し内容的には2人程魅力は感じなかったかな(笑)。
観光に来た女子大生相手に小銭を稼ぐケチな詐欺師のライダル(オスカー・アイザック)と、投資家から巨額な詐欺行為を働くチェスター(ヴィゴ・モーテンセン)。
ライダルが本当に、チェスターに亡き父を重ね合わせたのか、観ている範囲では非常に解り辛い(笑)。重ね合わせたというよりも、お互いに詐欺師として何かを感じ取り、隙があれば足元を掬おうとしてたんじゃないのかな?って感じの表情に見えましたけど(笑)。
チェスターの妻コレット(キルスティン・ダンスト)も、都合が悪くなれば国へ帰りたいと騒ぎ出す始末。
次第に追い込まれるチェスターに、渋々協力を申し出るライダル。
ラストも、ライダルを庇うチェスター。
まるで父と息子の様……。
序盤でライダルが父の葬式に参加しなかったという描写があるけど、父と息子の確執も良く判らなかったし、父の最期を見送ったみたいなラストに少しムリがあったかなと感じたかな。
でも、こう云う昔っぽい感じは好きだし 時代背景からか俳優陣の衣装も良い雰囲気を醸し出していてそこは良かった。
地中海の青と白の世界観
個人評価:3.7
非常に上品なサスペンス。
ギリシャの風土とビゴ・モーテンセンのエレガントな演技と表情で、この映画に清潔感と地中海の白と青の世界観をかもし出している。
ただ残念なのは最後のFBIとのよくある街中での追いかけっこ。せっかく作り上げた上品さを打ち消し、B級映画の締めくくりをしている。
それ以外はギリシャの世界観と脚本の上品さを演出できていると感じる。
まさにギリシャの地に、嘘で塗り固めた登場人物達の人生が吸い込まれ消えていく。
鮮やかに甦った60年代サスペンス
「太陽がいっぱい」の原作者であるパトリシア・ハイスミスの小説「殺意の迷宮」を映画化。60年代にヒッチコックらによって映画化された作品と同じような演出方法を取り入れながら、鮮やかな色彩で60年代のヨーロッパを見事に再現しきった作品です。
波乱の運命に追われることなった3人のアメリカ人達の心情の変動や人間関係をじっくりと見つめられる1時間半でした。本作はとくにキャストが素晴らしく、絶妙な演技で複雑な感情を見事に表現しきってくれたと思います。
また、本作のような、のどかなギリシャの風景をじっくりと堪能できる映画は数少ないです。魅力溢れるヨーロッパを綺麗な映像で観れるというだけでも観る価値はあります。
破滅の旅路
異国の旅。
運命的な出会いがあったり、人生を変えるような自分探しがあったり…とは限らない。
歯車狂い、破滅への旅路になる事も…。
ギリシャを旅行中の夫婦。
夫は投資詐欺師。
騙した投資家が雇った探偵を、謝って殺してしまう。
夫婦が出会った詐欺紛いのツアーガイドをして暮らしている青年。
ハメられ、犯罪に加担する羽目に…。
犯してしまった過ちや、巻き込まれ…。
ヒッチコック・サスペンスを見ているよう。
夫婦は青年の手引きで国外逃亡を試みるが…。
妻は夫が殺人を犯してしまった事を知らない。
夫と青年だけの秘密。
男二人と女一人の複雑な関係や事情絡んだ旅。
勿論そこには…。
妻は若く、青年と気が合う。
青年と絶対に知られてはならない秘密を共有している事に加え、憎悪を含んだ嫉妬が蓄積していく。
そしてそれが、道中、また一つ、悲劇的な過ちを犯してしまう事に…。
俺たちは運命共同体だ、と夫は言う。
ボロを出し、どちらかが捕まれば、芋づる式にもう一方も捕まる。
それを承知の上で、
夫は青年を丸め込もうとする。
青年は出し抜こうとする。
燻っていた腹の探り合い、駆け引き、ラストは罠にハメようとする…。
1960年代の時代設定と観光気分に浸れるギリシャ各地の風景が堪らなくいい。
ヴィゴ・モーテンセンとオスカー・アイザックの実力派による心理演技対決。
全体的に地味ではあるが、サスペンスの旨味は充分。
旅は楽しみたいし、出会いも一期一会。
しかし、あまり浮かれ過ぎていると…
知らぬ間に破滅への落とし穴の中に…。
何だかなあ
結構昔からスタートしたから、現代まで続いている話かと思いきや、
あれ?終わり?
て感じ。
役者陣は好きなんだけど、
(とか言いながら、髭剃ってたらオスカーアイザックと分からなかった(>人<;))
話は捻りなし。
今年の作品なのに、3.40年前の作品みたい。
いいか悪いかというよりも
太陽がいっぱいという映画は、心から苦手。人の心理をえぐるような怖さが、耐えられない。だからこの映画もそこまで怖くないけど、人の心の弱い部分をつつくみたいで、ものすごく嫌悪感。なので、映画として、また物語の成り立ちとして完璧なのだから、でき具合は素晴らしい。
でも好き嫌いだと、大嫌い。ギリシャに消えた嘘というタイトルにひかれて見てしまったけど、太陽がいっぱいの作者の映画とわかっていたら見なかった。こういう話って、不毛だと思うけど、なんだか世の中にはたくさんあります。なぜ作るのかな、見るのかな。雨の午後がまた暗くなってしまった。
結局なに?
予備知識なしの為か、思いとうらはらの展開。
彼が何のために付いていったのか?
私には妻がそれ程魅力的に見えなかったので・・・・
最後は何だったのか?で終わりました。
途中で眠たかったのもありますが
景色や雰囲気は良かったですね
擽る作品
性格俳優ヴィゴ・モーテンセンの魅力が燻る作品。
ストーリーは、とてもシンプルながら、男同士の暑苦しくも繊細な心理戦が楽しめる。派手なアクションシーンなくとも、ハラハラドキドキと魅入ることのできるシーンがちりばめられており、最後には名作映画を見た後の少し気怠いような余韻を噛み締めることができた。
ヴィゴ演じるチェスターは、酔い潰れて横柄な態度をとって尚、母性本能を擽ってしまうような、完全なる悪人にはなりきれない品のある人物像に仕上がっており、かなり贔屓目に見てはいるが、とても素晴らしいと思う。何より、煙草を咥え方を、心情に合わせ、巧みに変化させている、緻密な表現力を是非ご覧頂きたい。
視点によって見え方が違って来る。
ギリシャの遺跡を舞台にした優雅で極上のサスペンス!
『太陽がいっぱい』のような昔ながらの名作映画のセオリーに沿った展開は、今主流の息をもつかせぬサスペンス作品からするとシンプルではありますが…
原作パトリシア・ハイスミスの描く "男と女"、"女と男"、そして "男と男"、このどこに視点を置くかによってまるで見え方が違って来る巧みなドラマ!
シンプルと書きましたが、そこはヴィゴ・モーテンセン、キルスティン・ダンスト癖のある役者が魅せてくれます。 「知的で優雅」はサスペンスの基本ですね!
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