「キャラがない」あと1センチの恋 アメリカナイズさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラがない
主人公格がこの2人である必要が全くない話だと感じた
それは単にキャスティングという意味ではなく内容として。
幼馴染で育ってきたがゆえにそこそこ馬が合うという程度の関係にしか見えないんだよね、この2人。
男の方がボストンに旅立ってから出会うのは絵に書いたようなクソ女ばかり。リリーコリンズとの対比として象徴的に描かれてるけど実際の恋愛ってこういうもんじゃなくねーか。笑
これだと相対的に安定した女って風にしか見えない。男にとってこの女じゃなきゃダメなんだって思わせるのが夢の下りだけってのはな、どうにもしょーもない。違う女と付き合ってみたらクソだったからやっぱお前の方がいいわー笑 って感じでしょ、要約すると。何の教訓もねぇ浅はかな話に終始してるよそれじゃ。
むしろ男がボストンで付き合った女は別に何の問題もないし、安定した生活を送ってるけど、何かが足りない、リリーコリンズは完璧な人間じゃないけど、彼女じゃなきゃ得られない何かがある。それを求める為に現在の生活を捨てるって構成にした方がドラマティックだし説得力があるんじゃないのって感じた。
とにかくこの話では起こる出来事が主人公達を引き離したり出会わせたり、一喜一憂させる為にしか機能していない。つまり主人公達がどういう葛藤を抱えて、あるいはどういう感覚をもって物事に臨む人間かが全く描かれてないので、映画が終わってもこの2人のキャラが一切掴めない。
話を終わらせるタイミングに必然性もないし、無理やりハッピーエンドにしました!感がすごい。そりゃそうだろな、この映画な登場人物は出来事に振り回されるだけで、自ら考えることをしてないもんな。全く関係ない第三者が何も考えずとりあえずハッピーエンドにしなきゃって動けばこうなるよなって感じの終わり方。
映像もキレイだし、リリーコリンズはとにかく可愛い。頭一切使わないでキレイな物だけみたいって人にはオススメの映画かな。