「脳内会議はとっても良いです」脳内ポイズンベリー hanaさんの映画レビュー(感想・評価)
脳内会議はとっても良いです
原作の漫画の設定が気になっていたので、観に行きました。
脳内会議は、舞台のような演技も見ていて賑やかで楽しく、キャストもとても合っていてよかったです。
ネガティブ池田も役的にはマイナスな役割かと思いますが、ハツラツな演技で、発言の説得力なんかもあって好きです。
記憶は記録係が記していて、思い出したくない想い出に「暗黒付箋」、主人公の脳内に子どもの部分や大人の部分、ポジティブとネガティブが入り交じっているということなどを擬人化してそれがワイワイ脳内会議しているという漫画的な表現は、マンガ好きとしてはとても親しみやすいですね。
もしかして誰しも皆こんな脳内会議が行われており、人によってはこの脳内会議のメンバーも違ったりするのかも、という想像もできて楽しいです。
ポジティブな部分は若々しい青年で、ネガティブな部分はアラサー女性、会議をまとめる議長が色々な感情に振り回される頼りない成人男性、などの擬人化も秀逸ですし、とにかくこの映画の面白さや見せ場は脳内会議にあると感じました。
焦ると吉田のメガネにヒビが入り頻繁に取り替える演出や、嬉しいときハトコに羽根が生えて飛び回る演出なども、少し大げさな表現でキャラクターを引き立てる要素の一つとしても、現実世界との差異を見せるという点でも見せ場だと思います。
転じて、主人公の生きるリアルの世界の登場人物にはずっと感情移入できないまま、主人公も脳内で色々会議が行われているのはわかるのですが、具体的になにを考えているのかわからないずっとぼーっとした印象で個性がなく、小説家という設定は重要な所なのにその設定もなんとなく嘘っぽさが強くて(視聴者に小説家ですと言わなくても、もしかしてこの人小説家なのかな?みたいに思わせる所が一切無い)、個人的にはン?という感じでした。
その辺、早乙女はなんとなくアーティストなのかな〜とわかる感じとか、意味不明の主人公や不遇の運命に振り回されて可哀想だなあと思えるぶんよかったのですが、越智さんは仕事出来る設定なのに仕事と恋愛を混同しすぎてて実際に仕事相手がこんな人だったら嫌だな〜と思いました。
キャストは脳内会議メンバー同様、狙いが的を得ていてとても良かったと思います。真木よう子さんかわいい!
最終的な結論に関しては良いとも悪いとも言いがたいですが、そこへたどり着こうと脳内会議メンバーが畳み掛ける熱演はとても良かったです。そこだけでも観に行けてよかったと思えました◎