「どうする? どうするの、アタシ~! (の頭の中)」脳内ポイズンベリー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
どうする? どうするの、アタシ~! (の頭の中)
年下イケメンと年上男性の間で揺れ動くアラサー女性・いちこ。
その頭の中で、「理性」「ポジティブ」「ネガティブ」「記憶」「衝動」の大会議勃発…!
もしこの映画、単なるラブコメディだったら、イタいアラサー女のクソつまんない映画になってた筈。
脳内会議というユニークな題材に救われた。
人間誰しも持つ感情。
その感情を“キャラクター化”じゃなく“人間化”して会議を行うのは、何でも不毛な話し合いをする日本人的発想?(笑)
各感情がその名の通り個性的で分かり易く、演者もテンション高い快演。とりわけ3感情が際立つ。
西島秀俊が恋人役じゃなく堅物な「理性」なのが面白い。セクシーだとかカッコイイだとか色々言われてるけど、コミカル演技もなかなかイケてる。
神木隆之介がチャラい「ポジティブ」。こういうチャラ男、確かに居そう。
最近快進撃続く吉田羊が、ギャーギャーうるさいくらいの「ネガティブ」で、結構存在感放つ。
いちこの頭の中が爆発しそうな時(つまり会議が煮詰まった時)に突然現れる“第6の感情”にも注目。
監督は佐藤祐市。密室会話笑劇は代表作「キサラギ」を彷彿させる。
主人公いちこを演じるのは真木よう子。
男勝りでクールなイメージある彼女の意外な(?)キュート&コメディ演技は拾い物。
真木よう子はキュートで大変いいが、演じたいちこについては好き嫌い分かれそう。特に女性は。
内向的で自分に自身持てなくて、恋にも臆病。(暗黒ページという悲しい恋の記憶あり)
男性なら守ってあげたくなりそうだが、女性から見れば、二人の男に優柔不断な気持ちを見せる魔性の女!?
結構ヒドい事もしちゃったし…。
どうしてこっちを選んじゃうの!?とも思ったり。
それは全て脳内会議で決まった行動なんだけど、イコール自分。
脳内会議のメンバーはいちこを幸せに導けるのか?…つまり、自分の幸せとは?
最後下した“幸せ”は、結局こういうオチかと思いつつ、分からなくもない。
幸せになるって、難しい…。
映画ファンならご存知の通り、今夏公開のピクサー新作アニメとまさかのネタ被り!
こっちはこっちで思ってた以上に楽しめたが、いずれは随分と比較されそうな…。
キサラギは名作♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪
(↑確か?こちらの脚本さんが、小栗さんの第一回監督作に繋がるんでしたよね?)
見たいんですが、ナカナカ縁に当たりません( ^ω^ )