「残念な脚本も、役者たちの力量がカバーしてました!」ストレイヤーズ・クロニクル 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)
残念な脚本も、役者たちの力量がカバーしてました!
予告篇のみの知識で観ました。
Xメンのようなアクション類の映画と
勝手にレッテルを貼ってましたが、
上質なヒューマンサスペンスでした。
描かれたテーマは
絶望的な中での兄弟愛や友情。
宿命に逆らえず
この世に生まれ落ちた2組のグループが、
同じ境遇に気づいて
次第に分かり合っていきます。
まずグループの棲み分け。
ここは映画できちんと説明されないので、
予習していきましょう。
まずは親の脳にストレスを与えて生まれた
特殊能力を持つ「チーム・スバル」。
3秒先の未来が見える超視力に、
超腕力、超脚力、超聴力、
いつ破綻するか分からない
不安と生きています。
もうひとつは
生物の遺伝子を掛け合わせて生まれた、
「チーム・アゲハ」。
ウイルスや、素早いチーター、レーダーのコウモリ、
毒蛇、テッポウウオ、堅い甲虫の
特性能力を持っています。
そんな2つのグループが衝突する、
ハリウッド風で漫画的なストーリーです。
まぁ日テレだしね。
けど
今をときめく日本のヤングアダルト実力派を
集められたことは良かった点ですね。
2チームの葛藤に、
彼らの演技が火花を散らします。
賛否両論どおり、
演出も脚本も首を傾げるとこが多いです。
でも役者たちの力量が凄いので、感情移入できました。
ハラハラしたり、気持ちが揺さぶられたり、
スクリーンに入り込めます。
ふとフランシス・フォード・コッポラ監督の名作
「アウトサイダー」のグリーサーとソッシユを
思い出しましたよ。
キャストは頑張ってましたね!
染谷将太さんは、
「さよなら歌舞伎町」もよかったけど、
キャラの世界観を築き上げて、
今まで以上の存在感。
鉛のような冷めた眼が持ち味の男優さんは、
日本では珍しいと思います。
岡田将生さんも、
クールな中に垣間みえる優しさを、
上手く表現していました。
鈴木伸之くんも、松岡茉優さんも、
白石隼也くんも熱演でしたね。
成海璃子さんは昔、
CMのお仕事させてもらいましたが、
素はクールで言いたいことをはっきり言う人。
ホントに劇中そのままの女の子。
微笑ましかったです。
ストーリーは
ツッコミながら楽しんじゃえば、
CGアクションも見応えありの、
スリリングな2時間です。
ゲスの極み乙女が歌っている
「ロマンスがありあまる」も唐突で、
ある意味既成概念をぶち壊していて、
カッコよかったなぁ。
普通に
楽しめる映画だと思いますよ。