「闇を生きる男」クライム・ヒート 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
闇を生きる男
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本作監督ミヒャエル・R・ロスカムの『闇を生きる男』を観た時、まるで「ミスティック・リバー」みたいな話だなと思った(「ミスティック・リバー」よりも、より過酷で悲しい)。
本作の脚本は、「ミスティック・リバー」のデニス・ルヘインで、なるほどと唸る組み合わせだなと。
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冒頭で何気なく示されるバーテンダー、ボブ(トム・ハーディ)の行動。
なぜボブは客に酒をおごるのか。
なぜボブは礼拝には行くのに聖体拝領を受けないのか。
さりげない日常的なシーンであるが、実は大きな理由があった。静かな男の隠された秘密。ベールが剥がされた時のトム・ハーディの豹変。瞬発力が素晴らしい。
この上もない酷薄さを、緊張をはらみつつユーモラスに演じたジェームズ・ガンドルフィーニも見事。
ラストは少し甘いような気もするが、ロスカム監督の『闇を生きる男』の救いのなさに比べたら、甘いくらいがちょうど良いとホッとする。
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