「本年、観入った度No.1!!」セッション ななまがりさんの映画レビュー(感想・評価)
本年、観入った度No.1!!
クライマックスシーンは、伝説になること間違いないでしょう!!
このシーン観たさで、3回劇場鑑賞した。
もっと鑑賞した方もおられるだろうが、3回とも最後列にて、このシーンになると劇場内の雰囲気が、一変した!私も含めてだが、我を忘れて、とり憑かれたように、あの二人を観入ってた。
年間200本ぐらい劇場鑑賞するが、滅多に味わえる雰囲気ではない。それぐらい、一人一人の鑑賞者が、同じ思いだったのではないだろうか。
ジャズの伝説、逸話は、本編でフレッチャーが、チャリー・パーカーを話すシーンに見られるように、私もある小説を読んだ時にジャズ好きの主人公が、有名ミュージシャンの伝説を語っていたのを思い出す。いずれも普段の状況ではなく、重さ、程度の違いはあれ、極限まで追い込まれた時に、伝説が生まれているような気がする。
あくまで、映画のストーリーではあるが、仮にアンドリューが、この先、有名なミュージシャンになったとしたら、このクライマックスシーンは、伝説として語られるだろう。
公開前から、J・K・シモンズの怪演ぶりは、話題になっていたが、助演オスカー受賞は大納得!!
フレッチャーが、時間通りに、教室に入った時のピリッとした緊迫感、緊張感が、全てを物語っている。
二人きりで話すシーンと教室内のレッスンシーンのフレッチャーは、比較要素としても本作の見所の一つ。特にレッスン時のセリフの言動の迫力が凄まじい!!
アンドリューとの再会時に、死んだジャズという言い方をしていたが、完璧主義というより生きたジャズを追い求めるが故に、とことん容赦なく追い込む。だからといって、人としての尊厳まで傷つけていいとは思えないが、この辺は、賛否あるかもしれない。
あのフレッチャー楽団が形成されるで、いったい何人脱落者が出たのか。それでも、必死についてくる所から、優秀なミュージシャンを育てたのも事実なのかもしれない。
猛レッスンに耐えに耐えて、実力で主奏者に選ばれての初のコンテストの道中での出来事も、その後の乱闘、そして、学校の退学、密告による退職も、クライマックスシーン前のこの期に及んでのフレッチャーの仕打ちも、出番は少ないが、笑顔のかわいいニコルとの別れも、全てが、あのクライマックスシーンまでのストーリーの積み重ね、伝説を生む土俵といえよう。