「圧巻の対決。」セッション ゴラムさんの映画レビュー(感想・評価)
圧巻の対決。
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思わず息を飲みながら画面に釘付けになった107分であった。
名門音楽学校に入学した主人公の青年ドラマーを待ち受けていたのは鬼教官、フレッチャーによる容赦ないスパルタ教育。
本作を鑑賞中、中盤ごろまでは「ブラックスワン」あたりを彷彿とさせる心理スリラーのような印象を受けていたが、それ以降は映画はガラリと様相を変える。
特に終盤における最大の目玉、演奏シーンの演出はもはやアクション映画のそれである。
「ボーン」シリーズのようなめまぐるしいカット割、息をつかせぬテンポ、フレッチャーとの駆け引き等、これは音楽映画の皮を被った格闘アクションだと個人的に感じた。
ラストの最高のセッションを演奏し切った後の二人の表情が本作を象徴している。
ラスト、フレッチャーが口を動かしていたように見えたがなんと言っていたのか気になる所。やはり「Good job」だろうか。
本作は一部、音楽関係者からの批判を受けているそうだが、この映画にそこまでの音楽的リアリティを求めるのは野暮である。
なぜなら、リアリティばかりを重視していては本作のカタルシスを味わえないからだ。
JKシモンズは地味な俳優というイメージしかなかったが本作で一躍ブレイクを果たした。本作は彼のキャリアを代表する作品になったと思う。
私個人の話だが本作を観るため、他府県まで出かけて行ったのだが、その甲斐はあった。映画館でなければ本作の魅力を髄まで味わえないだろう。
迷っている方がおられたら是非とも遠出してでも本作を劇場で鑑賞して欲しい。
その価値はある映画だと思う。
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