劇場公開日 2015年4月17日

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「非の打ち所がない。最高の映画だ。」セッション ARC監督/脚本 篠原隼士さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0非の打ち所がない。最高の映画だ。

2015年4月22日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

冒頭が素晴らしい。ドラムを叩く音楽大学一年生のアンドリューの元にJ・K・シモンズ扮するフレッチャーが現れ、その才能を見抜く。この冒頭で、一気に掴まれた。その後、フレッチャーという鬼才教師に認められたことで得る不思議な地位というか、何というかアンドリューと親戚?であろう家族との食事シーンに見事!と言いたくなるほど、アンドリューが「他人とは違うこと。」に気づいていく感覚です。

そして、なぜ、彼等が音楽をやるのか?その行為は徹底的に何かをやること、つまりプロであること。プロフェッショナルであることは、どうあるか。どう生きていくのか。フレッチャーがどんな至難も乗り越えていかなくてはならない壁になったように見えるようでそうではない。
教師である前に、音楽を愛しすぎて愛しすぎてその信念で生きている人間であることがアンドリューの何かを動かす。
ように見えて、そうではない。笑

2人の生きるということが激突するラスト。
フレッチャーの突きつけるプロフェッショナルで生きるという残酷さ。
アンドリューの突きつける自我と努力という行為で得てきた実力。
2人は見事にセッションする。

しかしながら、ご注意を。
この映画を見てしまうと、他の映画に物足りなさを感じます。
こりゃしまった。

ARC監督/脚本 篠原隼士