「まるでホラー映画、なんだか自分が怒鳴られている気分になる…。」セッション のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
まるでホラー映画、なんだか自分が怒鳴られている気分になる…。
いわゆる芸術の世界って、今でも無意識パワハラ、モラハラ、セクハラが横行しているのではと改めて感じた。
死ぬほど努力するのは当たり前、けれどその頑張りも、圧倒的な才能の前では吹っ飛ぶのか?
ずっと息をつめて、酸欠状態で観ていた。
フレッチャーは、完璧な演奏が頭の中にあって、それを体現できるプレーヤー以外はゴミと思っている。
そう考えなければ理解できないような言動を繰り返す。
死に物狂いでフレッチャーの要求に応えても、より自分に合うプレーヤーが現れれば、彼は全くためらわず交代させる(屈辱的な罵倒付きで)。
演奏者の精神状態は奏でる音に現れるので、フレッチャーの音楽は絶対にヒリヒリ、しんどいだろう。
観客として彼の音楽を聴いても、私は「ブラボー!」とは思わないと信じたい。
「我が人生に悔いなし」と生きてきた私。
けれど、今10代に戻れたら、何か楽器を弾けるようになりたいと本作を観て思った。
さすがにドラムは嫌なので、ギターかサックスか、少し変化球で和太鼓か。
楽しくんなければ音楽じゃないわい!とフレッチャーとニーマンに伝えたい。
コメントする