「タイトルなし(ネタバレ)」セッション CMCRさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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常に重苦しいピリピリとした緊張感が続く映画。教鞭を取る鬼教員が明らかにイライラしている授業というのは日本人全員が履修済みだと思われるが、その時間が延々と続く。その中で希望と落胆が交互に訪れる。最後のセッションは素晴らしく、ドラム一本でここまで魅せることが出来るのかと感動した。
他の批評で行き過ぎた指導が不快などという的外れな感想が散見されるが、この映画のテーマは芸術への狂気なのだと思う。音楽程ではないが僕もある程度芸術的要素が求められる仕事だ。経験則として、やはり良いと感じられるモノを作り上げるのは狂気的な人間なのだ。この映画は狂人が一人の狂人を練り上げる映画と言っても差し支えない。それ以外の人間は道を外れていく。フレッチャーの影に隠れているが主人公も最初からある程度狂っている。
僕は間違いなく凡人なので狂人が作り上げる世界観を一般に伝えられたらと思う。こんな風には生きられない。映画中でこそだなぁ。
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