劇場公開日 2015年4月17日

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「バカはロックでもやってろ? 上等じゃねーか」セッション カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0バカはロックでもやってろ? 上等じゃねーか

2024年3月14日
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鑑賞方法:映画館

この映画の本質はジャズとかドラムとかはあまり関係ありません。音楽学校なのになんやねんこのおっさん。キ◯ガイ鬼軍曹。
フレッチャー役のJ.Kシモンズ最高です。
この映画が面白いのは音楽映画のフリをして、実は男の意地の張り合いの話で、スマホの時代なのにまるで「兵隊やくざ」シリーズのような展開だからでしょう。2014年制作の映画ですが、今観るとコンプラ的に完全にOUT。それでも引き込まれてしまうのはその熱さが「宮本から君へ」と同じくらいハチャメチャだからでしょう。レンタカー店舗まで戻ってスティックを取ってこいと命令する。トラックと衝突して、血まみで左腕は骨折してそうなのにあきらめない。映画館のバイトの彼女をナンパしたニーマンが、彼女に新しい男ができたとわかるとひとが変わったようになるあたりも劇画的です。
ちょっとわからないのは、せっかくの個人指導に朝寝坊したのになぜか全然怒られない。 3人のドラマーの中で一番ヘタクソでパッとしないのにニーマンをえこ贔屓する理由は同性愛だからなのかと思ってしまいます。師弟愛は感じましたし、ニーマンがフレッチャーを心底恨んでないのはわかりますが、そこからまた落とし穴的な試練があります。鬼軍曹がこのまま黙って引き下がるわけないのに、そのままフェードアウトする終わり方ですが、意地だけでソロを叩き続けるニーマンに近づいてゆき、緩んだシンバルのネジを締めてあげていたので、鬼軍曹も負けを認めたんでしょうね。
ドラムテクニック的には深みには乏しい映画でしたけど、とても面白かった。ちなみにマメが潰れるとか、皮が剥けるとか、血が出るなんてヘタな証拠です。あと、スティックがいかにも廉価品。ステージではスティックを落としたとき用にスペアは手元に3.4本おいて置くはずです。
3月15日公開の Count me in 魂のリズムをとても楽しみにしています🤩

カールⅢ世