「怖い。」セッション NandSさんの映画レビュー(感想・評価)
怖い。
前提として
・デイミアン・チャゼル監督の他作品だと『ラ・ラ・ランド』を視聴済
俳優陣が素晴らしい。眼で全てを物語る。
狂気ってこうやって出すのか……ってなる。
ただただ怖い教官にパワハラされるストーリーではない。スカッとする瞬間もある。
アンドリューとフレッチャー。この二人がジャズという土俵において、どのように変化していくのか。
この二人、精神的な中身がめちゃくちゃ似てることが面白い。この上でプライドのぶつかり合いとなっていくクライマックス。
何かが通じ合った瞬間のアイコンタクト。
『セッション』という日本語版タイトルも素晴らしい。
……みたいなアツい部分もあるけど、ずーーーっと怖い部分が蠢いている。
感情というか情熱というか、期待というか狂気というか……
心臓の鼓動がなかなか止まらない、不安なのめり込みがずっとある。
この二人、自分なりの優しさを持ってるクズだな……
パワハラ的な指導も必要になるよな、的な自分の感覚も怖くなる。のめり込むと、どれだけボロボロでも周りのことが気にならなくなるよな、みたいな熱中と狂気の紙一重感にも怖くなる。そしてこの狂気が通じ合った瞬間の最強コンビ感たるや……
あー、怖い。けど面白い。
芸術を志している人ほど胸が痛くなる作品。正直、人にオススメしづらい……
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