劇場公開日 2015年4月17日

「JAZZは死んだ」セッション colt45SAAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5JAZZは死んだ

2017年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

大概強烈なコーチと言えばスポ根物に登場してくるキャラクターだが、今回は音楽の世界での鬼コーチ。ここに描かれるJ・K・シモンズは自分にとってはタチの悪いキャラ。映画全体通しても見えてこない部分がある。それを補う形で主演のマイルズ・テラーは執念のドラマーを演じる。
ただ、彼が求めていた物は何だろうと思ったりする。1度の挫折で一旦自分のドラムセットを物置に封じ込めたり、名門音楽大学から別の大学へ進学してみたり・・・

J・K・シモンズの演じた役も本当に彼を育てたかったのだろうか?彼を煽って精神状態を過敏にさせ、彼の持つ才能を引き出したかったのだろうか?

すべての疑問は終盤で「無かった事」となる。
この時点ですべての雑音は消え、本当のジャズを作りたかった2人が見えてくる。

70年代に登場した主なパンクバンド達は口を揃えて「ロックは死んだ」と言っていたが、デミアン・チャゼル監督は今作と「ラ・ラ・ランド」で「JAZZは死んだ」と登場人物に語らせてる。

彼のジャズに対する思い入れとチャーリー・パーカーに対する憧れはこの2作に共通するが、映画としては別の匂いがする同監督の異母兄弟的作品の一本。

colt45SAA