「令和でも平成でも昭和でもない、めいずらんなー(苦しい)」メイズ・ランナー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
令和でも平成でも昭和でもない、めいずらんなー(苦しい)
ソリッド・シチュエーション・スリラーが広大な敷地内になった感じでした。1ヵ月に1度、新入りと物資が送られてくる巨大な迷路に囲まれた空間。最近ではお馴染みになった、理不尽で不条理な状況下に置かれるスリラーとも言えるんじゃないでしょうか。その多くが密室なので、斬新といえば斬新。若い男ばかりが送られ続けて3年。黒人青年アルビーをリーダーとする一種のコミュニティが確立していて、色んな職業というか役割が与えられている。その一つが走ることが専門のランナーで、毎日迷路を探索しているのです。みんな小ざっぱりしているので洗濯屋とか床屋とかもいるはず・・・
シチュエーションスリラーと呼べなくなったのは、怪獣グリーバーが登場したからだ。敵は色んな試練を与えてくるのだなぁ~とも思いつつ、名前を思い出した新人トーマスが色んな夢を見せてくれて、あちら側の人間なんだと想像がつく。しかし、名前しか思い出せない。他の若者たちも皆記憶が消去されていたのだ。
3年かかっても解けなかった迷路はわずか3日しかいないトーマスが好奇心によって解明しようとしていた。「チェンジ」と呼ばれる何かがアルビーを毒針で刺す事件を起こし、突如送り込まれた女性テレサの存在、そしてトーマスとミンホがグリーバーを倒してしまったという変化。秩序やルールを重んじる古株のギャリー(ウィル・ポールター)が責任をトーマスに押し付けて、仲間を分裂させるまでに狂ってしまう。このキャラが最も際立っていた。また、男だらけの中に女が一人送り込まれたら、溜まっていた男たちが黙っちゃいないだろう?などと思っていたら、テンポよくストーリーが進んで、考えることすらやめてしまいました・・・
怪物も倒して、迷路を抜け出ることが出来た半分の仲間たち。すぐさま黒づくめの男たちによってヘリへと連れていかれる。降りた聖地で見せられたものとは、WCKTによるビデオメッセージ。地球は滅びかかっていて、フレアウィルスも蔓延。迷路に送られた若者たちはそのフレアに耐性を持った者たちだという。彼らが人類存亡の鍵を握るほどウィルス対策に必死になっていたのだった。
ならば何故研究所に入れておけばいいのに過酷な試練を与え続けていたのか?しかもアルビーにいたっては3年もですよ!ちょいと後付感のあるどんでん返しだった気がする。