「映画自体も駆け込みだった(笑)」駆込み女と駆出し男 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
映画自体も駆け込みだった(笑)
画面の作り込みはすっごく良い感じで、
アッと言う間に江戸の町に引き込まれ
おお頑張ったな!と思える絵作りに
一瞬今年度邦画ベスト!と言いそうになりました(笑)
だけどかなりの早セリフなので
聴き取れない部分あって残念な感じ。
この監督の映画は初めてだったので
後で早セリフはこの監督の特徴だと知りましたが
少々難解な言い回しの多い時代劇の上、
折角の丁寧な画面にこの早セリフは
ちょっと上滑りしている感があった。
絵の作り込みで言うと満島ひかりの役は
当時の商家の奥様として忠実な眉剃りお歯黒に対して
戸田恵梨香の役は火傷の特殊メイクだけで
飛交う火の粉のそばで働く人の小さな火傷後や吹き出物が全く無い。
肌が綺麗過ぎて、そこだけ現代人っぽくてかなり残念。
現代人っぽいと言えば東慶寺内の女性達も
断髪と言う髪型のせいもあり、現代人っぽさが抜けてない。
おそらく、みな苦労して東慶寺に駆け込んだのだろうから
もう少し苦労したシワやあばたや傷後を付けたり
白髪まじりや薄毛等、髪型も工夫すれば良かったのに〜
折角のロケのお寺や建物とちょっと解け合ってないです。
ここまで画面に凝ったのならそこももう一押し欲しかったな。
テンポが良く話も面白いし役者それぞれは流石なんだけど
そもそも最初になんで大泉洋は満島ひかり達を追いかけてきたのか
そのつながりが私には解らなかった。
江戸にいられなくなった経緯の後、
追っ手として登場するまでの間が???なのです。
全体に良い線は行ってるんだけど後半の話の進め方が
本当に駆け込み状態。
勢いで押してしまうスピード感が人によっては潔い!と思うか
ちょっと雑だな〜と思うか意見が分かれるところ。
良いなあ〜と思ったのは御用宿の薄い暖簾を通して
表と屋内との光のコントラストが度々見事に使われているところ。
托鉢僧や旅立ちのシーン等とても良かった。
DVDが出たら改めて確認したい所が一杯あります。
ロケ地やセットを駆使した絵作りと役者さんそれぞれは星4つです。
@もう一度観るなら?
2018/6月更新
今の時代改めて2018/6月に改めて観てみると
女性の立場を守る東慶寺のような場所があったことは
少ないとはいえ、誇れる日本の文化の一部だと思います。
東慶寺の中でのシーンは結構泣けました。