劇場公開日 2015年5月31日

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「ご都合主義の展開や登場人物にB級危機は訪れる」善き人に悪魔は訪れる 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ご都合主義の展開や登場人物にB級危機は訪れる

2019年7月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

興奮

夫が外出中の雨の夜、突然の訪問者が。車が事故を起こし、電話を貸して欲しいという。
女は親切心から男が招き入れる。
その男は実は、脱走中の凶悪犯とは知らずに…。

凶悪犯は当初、紳士的に振る舞う。
最近夫とあまり上手くいってない女は、魅力的なその男に好感を持つ。
が、ある事をきっかけに、不信感を持ち始める。
遂に男が本性を現す。
孤立無援の家の中で、女は幼い子供たちを守れるのか…!?

非常に緊迫感溢れる設定。
巧くやれば秀逸なスリラーになれそうだったのに、残念ながら何もかも陳腐なスリラーに。
凶悪犯が本性を現す前のやり取り。自然体な会話の中にも緊張感や心理的描写も織り込めそうなのに、ちょい下心見え隠れする下世話なやり取り。
女は元検事という都合良すぎる設定。
凶悪犯、時々隙が多い。
終盤、凶悪犯の元恋人で殺した女の家に舞台を移すが、その女と夫が不倫していたという、伏線ナシの突然の設定。
女は何とか凶悪犯を撃退。不倫夫にも見切りを付け、子供たちと共に新たな人生を始める…という、安直なラスト。

また、話の見せ方や展開もこれで良かったのか。
開幕早々、男が凶悪犯であるという説明描写があり、その後そうとは知らず招き入れてしまうという、それはそれでいいが、
凶悪犯であるという説明描写は一切ナシ、突然の訪問者とのやり取りの中から徐々に徐々に…という展開も良かった気がする。
最も、後者の場合、演出や脚本が優れていないと成り立たないので、本作は前者で良かったのかも。

尺は90分で、本当に暇潰し程度。
イドリス・エルバ、タラジ・P・ヘンソンの両実力派が出演していながら…。
もしこの二人じゃなかったらスルーしていただろう、B級スリラー。

近大