「静かなるミスター・ビーン」おみおくりの作法 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
静かなるミスター・ビーン
間も無く公開される阿倍サダヲ主演の「アイ・アム まきもと」が
この映画のリメイクだと、番宣にラジオ出演した
阿部サダヲさん本人が話していたので
こんな地味な映画を紹介する人も
そりゃ〜〜いないわな〜〜と思って再投稿しました。
イギリス映画のせいか淡々としたミスター・ビーンと言った風情の作品。
大笑いでなく、クスリと笑えるシーンが随所にあります。
言葉少ない中でのちょっとした間のおかしみとでも言いますか
ほんと、じわ〜〜〜と後を引く映画です。
伊丹十三監督の「お葬式」を引き合いに出すまでもなく
お葬式って言うのは厳かな中にも何となくおかしみが漂うもんで、
そのあたりの表現が上手いなあ〜と思いました。
(話は全然似てません…)
主人公ジョン・メイの死者へのこだわりは
黒沢作品「生きる」の主人公に似た静かな執念を感じましたね。
最後まで、死者の生きていて時間にこだわる事で、
反転して自分自身の生きた証しを残そうとしたジョン・メイ。
「死」を考える事は生き方を考える事。
ラストシーンはキリスト教的な表現だな〜と感じましたね。
ある意味での復活と言う感じ。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
私自身も、今まで生きてきた時間より
この後の時間の方が間違いなく短い人間にとっては
死を考える映画はかなり響くわけです。
例え、一見何の取り柄も無く、有名人でも無い
平凡な人間であっても、
その人の死を丁寧におみおくりする事は
その人の生き方を肯定、尊重すること。
主人公自身が自分の「死」を間近に感じているからこそ
出来る仕事かもしれないですね。
静かな映画なのでこういう映画は本当は
映画館でしっかり集中して観た方が良いと思います。
結構時間が経ってるし、地味な映画なので
沢山の映画配信サービスがある現代でも
観られないかもしれないけど
もう一度、改めて観たい映画です。
最後の場面では、涙が溢れて、止まりませんた。(言い訳になりますが、普段からじわっと涙が出るのは度々ありますが、こんなに涙が溢れたのはこれを入れて、2作くらいです)
もう一度、かの作品を映画館で見たいなあと思います。
この監督の新作が先日上映されていましたが、それも、とてもよい作品でした。
ナターシャさん、コメントありがとうございます。
葬儀屋さんの苦労はよくわかりますし、こうした孤独死なんてのも最近では増えてるんだろうし、すべての故人に敬意を払うことができないですよね。
無縁仏であってもそこには人生があった!などと考えると、興味深い話がいっぱいあると思います。そんなところに着目した物語もすごいし、亡き人からの感謝にも感動しました。
こんな映画をいっぱい見てみたいな~