「怖れない心」ザ・ウォーク ハルさんの映画レビュー(感想・評価)
怖れない心
タイトロープ、とはどちらかと言えばネガティブな表現だろう。しかしそれは第三者からはそう見えても本人にとっては自由でアンタッチャブルな領域にもなりうるということが今作では示される。
『マン・オン・ワイヤー』は観ていたがフィクションを交えた今作の方が心に響いたのはやはりゼメキスの上手さなのだろう。一本のワイヤーで日常に非日常を作り出す行為はそれだけで楽しい見世物だが、それを社会現象にまで昇華させたプティという存在をうまくとらえて作品上にしっかりと描き上げている。そうしてカタルシスもありながらラストショットからのほろ苦さで深みも加えている。
3D映像は思ったほどではなかったものの、やはりこの作家は新しい分野でこうして答えを出すあたり流石というよりない。
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