「Crossing to truely different world. ただ「高層ビルの間を綱渡りする人の映画」、でもこんなに面白い!」ザ・ウォーク アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
Crossing to truely different world. ただ「高層ビルの間を綱渡りする人の映画」、でもこんなに面白い!
ストーリーはシンプルですし、ぶっちゃげ犯罪の物語なのですが、ここまで面白い映画にしてしまうのは、さすがロバート・ゼメキス監督といった所でしょうか。御年63歳になっても全然衰えが見えない。やはりロバート・ゼメキス監督というと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「フォレスト・ガンプ」が代表作にあげられますが、過去の作品に負けない上手い映画作りです。
主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットの演技が秀逸でした。冒頭から最後にまでしゃべり続けるフィリップ・プティが全くウザくならないのは演技力の賜物でしょう。やー、今まで何となく「主演よりもいい脇役ポジション」かと思ってたジョセフ・ゴードン=レヴィットがここまで演技が上手いとは。全くの予想外でした。アメリカ人なのにフランス語訛りの英語に違和感を感じさせない演技は並大抵な努力ではできないですよね。
高所での3Dを楽しみに行ったのに、いつの間にかストーリーにハマって3Dが気にならなくなるという逆転現象が起きていました。それでも綱渡りのシーンの高さにあれだけ説得力が生まれるのは3Dの効果だと思います。ロバート・ゼメキスは3Dという道具を上手く使いこなしている印象があります。高所が苦手な方でもあそこまで高いと想像の域を出てしまうので逆に分からなくなるのでは?フィリップが綱渡りをしている場面で視点を下を走っている車に合わせると「うおっ、高っ!」と感じますが、あくまで主人公を追ってると大丈夫な気がします。
主人公のフィリップは自己チューですし、友達にはしたくないタイプですが、ちょっとオカシイ人の方がスゴいことやってのけるんだよなーと凡人の私は思いました。劇中でも言っていたのですが、あの当時、あの綱渡りを実際に観た人は一生忘れられない記憶になった事でしょう。もはや二度と起こり得ない瞬間を見事に再現した良作でした。