「ワールドトレードセンター、forever」ザ・ウォーク 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
ワールドトレードセンター、forever
フランスの綱渡り芸人フィリップ・プティの自伝を下にした作品。自伝がベースであるためか、主人公フィリップの視点で物語が進みます。なので、自分に都合がわるい所は省かれているかも。
ジョセフ・ゴードン=レビットは、フランス文学に傾倒していたことがあるためか、フランス語を話すことができるそうです。この作品では、その特技を遺憾なく発揮し、(日本人の耳には)フランス語(に聞こえる言語)あるいはフランス語訛りの英語を駆使しています。
物語は、ひとりの無謀な若者が、自信の名声と自信を得るためにワールドトレードセンターの北棟と南棟の間に綱を渡して綱渡りをするまでを描いただけ。“だけ”と言ってしまうと身もふたもないですが、そこは名監督のロバート・ゼメキス、きちんと物語を仕上げてきていますね。でも何と言ってもこの作品は、物語もさることながら映像です。
今回は3Dでみましたが、この作品は3Dで見た方がいいんじゃないでしょうか。世の中には3Dの映画が数多ありますが、3Dの効果を見せ付ける為に無駄にモノの先端を強調するような映像が多かったりします。でもこの作品では、そう言う無駄で無意味な演出は不要。先端強調の映像が皆無とは言いませんが、ワールドトレードセンターの411m上空からの眺めだけで十分です。言うほど高さの恐怖は感じません。って言うか、全然怖くないのです(笑)。まぁ、映画だって判りきっていますからねぇ。それでも、高い建物の映像は中々素晴らしかったです。
物語の舞台が、1970年台ということで、ニューヨークのイエローキャブは、非常に懐かしいアメ車です。いや、イエローキャブだけじゃなくて、すべての車がですね。これ、集めるの大変だったんじゃないでしょうか?
フィリップ・プティは、この“業績”によって、ワールドトレードセンター展望台のパスをもらったそうです。その期限は“forever”だそうですが、それってやっぱりワールドトレードセンターへのオマージュですよね。