セルフィッシュ・サマー ホントの自分に向き合う旅のレビュー・感想・評価
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道路ムービー
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アイスランド映画[Á annan veg:どっちにせよ(2011)」のリメイク、本作と同じく双方とも日本劇場未公開。ベルリン国際映画祭で銀熊賞を取っている作品らしいが私にはまったく良さが分からない会話劇でした。
登場人物はほぼ二人、場面はほぼ山の中、主人公の青年と中年男は野営しながら道路のラインをひたすら引いて回る工事人。ロード・ムービーというのはあるが道路ムービーというのは珍しい。
他にチョイ役で通りかかりのトラック乗りの老人と山火事で家を失った老婦人の4人しか出てこない、そんな設定のせいか、たった16日で撮り終えたと言う超コスパ映画。
青年は年頃とは言えセックスしか頭にない、セリフも卑猥と女性蔑視、挙句にテントでの自慰シーンまで見せられては逃げたくなる。そんな軽薄な青年に文句たらたらな中年男は恋人の弟と言うことで仕事を世話したようだ、上手く行けば義兄弟なのだろうが女心が読めない不器用さで破局らしい。そんなキャラ設定、よく言えば赤裸々な本音トークということなのだろうが、どちらにも感情移入できずに当惑。リメイクで設定を山火事後の道路の修復としたのは復旧作業に従事する善行の人物に寄せて下世話な人物像をカバーしたかったのでしょう。
邦題の副題「ホントの自分に向き合う旅」から推測すれば道路に線を引く作業は人生の道のりの暗喩なのかもしれないが、作家性の強い映画、私には苦手の部類の作品でした。
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