泣く男のレビュー・感想・評価
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一応、前半部分はサスペンスで物語を語っていたけれど、 それは前フリ...
一応、前半部分はサスペンスで物語を語っていたけれど、
それは前フリで、
本当は監督は最後の血糊過剰なアクションシーンを
撮りたかっただけなのではないか
と思ってしまいました。
だって、ゴンは非情な殺し屋であるはずなのに、
小さな女の子を誤って殺したことをずっとひきずり過ぎ。
そして、長年の仲間と殺し合ってまで、
女の子の母親を守ろうとするとは、
一体どんな心境の変化でしょう。
どちらかというと、
殺害対象の母親が子を想う姿に、
自分の母親を重ね、
そして自分は母親と悲しい別れをしたこともあって
母という存在に対して複雑な思いを抱いており、
初めてためらいが生じたとするほうが
しっくりくる気がしました。
そこらへんが気になって話があまり入ってきません。
でも、最後のアクションシーンが爽快で
それはどうでもよくなりました。
タイトルの「泣く男」。
泣くとは無縁のゴンですが、
幼少時代を描いた最後のシーンでポロポロ涙をこぼしていました。
泣くことが人の情愛の有無を計るバロメーター的な意味合いが込められているのでしょうかね。
マフィアの一員として殺しの任務についたゴン。 しかし、そのミッショ...
マフィアの一員として殺しの任務についたゴン。
しかし、そのミッション中に幼い少女を誤って殺めてしまう。男は自分を責め、次のミッションで足を洗おうとしていた。だが次の殺しの標的になったのは前回殺した娘の母だった。男は娘を失い嘆く女を殺すことができず、娘を殺したことを隠しつつもマフィアを敵に回し女を守る。マフィアの仲間はゴンに戻ってくるように誘うも、ゴンは断る。だがもし女が原因で戻れないならと、女は再度マフィアに命を狙われる。ゴンは女に自分を殺させ、娘は自分が殺したことを明かす。
ハリウッドレベル。
「泣く男」見ました。
とてもおもしろい。激しい。悲しい。
アジョシもかなり好きだが、これもやっぱりイイ。
展開がかなりショッキングです。
特に主人公が引きこもるキッカケとなる少女の場面と、ラストの主人公の末路。この衝撃は韓国映画特有だし、これが見れただけで天晴かな。
とくにラストはやられた。けど、不満があるとしたら中盤〜ラストバトルへの流れが異常なくらいダラダラダラダラしてる。
そこは退屈で残念だったけど、ラストバトルはその不満を吹き飛ばすくらいの興奮。ここはハリウッドはフランスの映画と遜色ないクオリティ、むしろフランスのドンパチ映画より数段完成度が高い。
とりあえず大ピンチのドンゴンなので、打ち合い(がんばれドンゴン!)→静まる(どうするドンゴン?)→打ち合い(がんばれドンゴン!)→静まる(どうするドンゴン?)という"間"を上手く作っていて、テンションの高低を上手く使う事で全体のテンションを上げるという作りは秀逸だと感じました。両手に2丁ライフルみたいな力技がなくても魅力的なガンアクションは成立するという手本のような出来。
あとは何と言っても演者の顔が良い。
ヒロインは奇麗とは思わなかったけど、主人公や敵もシュッとしててカッコいい。敵がふざけた感じの映画って個人的に嫌いなんですよね。特に「ダニー・ザ・ドッグ」「哀しき獣」みたいな小太りのおっさん。この映画の敵達はそういうのがなくてスマートで、チャンドンゴンと対に見える。この映画を成功とするなら、ここは大きなポイントだったと思う。顔で言うと印象的なシーンは、終盤のアパートアクションで敵をシャシャっとナイフで斬りつける時の顔。ブルース・リーのアチョ〜!の時の顔みたいヤツ。あんな顔でシャシャっとやられて面白くない訳がない。
いろいろ書きすぎて何が言いたいのか忘れてしまいました。
とりあえず娯楽作として最高の出来なので、見て損はないし、みんなチャンドンゴンが大好きになる事間違い無し。
完璧で素晴らしいノワール作品。
悪人である主人公がなぜこんなに良い人に見えるのか。
感情的なキャラではないのになぜこんなに熱く伝わるのか。
少ない言葉でものすごく奥深い物を描き出す、ノワール映画として素晴らしい作品だった。
母親をテーマに最後まで貫いた所が良かった。
それによって死体がゴロゴロしている作品なのに逆に生の重さを感じる事ができる。
これが邦画だったらゴンがモギョンに横恋慕して最後は庇って死ぬ…という野暮なオチになるんじゃないだろうか。
母親というテーマにはモギョンの認知症の母親の存在の描写もかなり大きな役割を果たしていると思う。
また、チャオズとの複雑な友情も描いているし、キム・ヒウォンの演じる悪役とアメリカ勢の悪役との対比も面白く、キャラクターに無駄が無い。
タイトルも絶妙だと思う。
どこで泣くんだろう?と気になっていたが、まさかあそこで泣いていたとは…。
たったワンシーンだがあのシーンがゴンの感情と人生を全てを物語っていると感じた。
おかげでエンドロールが終わっても涙が止まらなかった。
アクションよかった
主人公のゴンが、生きる希望を失っていながら、それでいて超強いところがなんともかっこよかった。
アクションが素晴らしかった。特に団地を舞台にして、前からも後ろからもスナイパーが狙っている絶対絶命な感じはとても面白かった。前後左右だけでなく上下の動きも活かしたアクションはすごくスリリングだった。
組織が、子供の母親の命を狙う意味が全然分からない。しかも警察にばれているにもかかわらず執拗に狙い続ける意図が不明すぎる。さらに、背中を打たれているゴンにその指令を下すのもどうかと思う。重症を負っている人がいいパフォーマンスをできると思えない。
しかもその組織のボスは、ゴンへの殺害指令を下すのだが、そんなに簡単に味方を殺させるような組織では、他の部下も疑心暗鬼で忠誠心を抱きづらいのではないだろうか。
ヒロインの会社の、社長か何かが犯罪組織も運営していたのか、ごちゃごちゃして関係がよく分からなかった。
ゴンの母親も、韓国であかすりをしていた人とアメリカでヤク中の売春婦みたいになっていた人が同一人物なのかよく分からなかった。
冒頭で子供が誤射で死んでしまうのだが、かわいそうすぎる。物語を盛り上げるためにそんなことしないで欲しい。
アクションがとてもかっこいい割に、いろいろ腑に落ちないところやごちゃごちゃした人間関係が分かりにくい、惜しい映画だった。
罪の意識との戦いと決着
ユミという女の子を殺してしまったゴンが、その罪の意識、そして自らの過去と向き合い、自分の中で最も納得のいく決着をつけようと無謀な戦いに身を投じていく。
特に、最後にユミの母、モギョンに自分を撃たせたシーンは、モギョンにとって最も良い決着を目指したものだと思う。
モギョンを助ける者として命懸けで敵を排除し、モギョンの娘の仇として自らの命を投げ出すゴン。
あまりにも真っ直ぐである故、ゴンはこのラスト以外の結末を選べなかったと思う。
ただ、モギョンにとって最も良い決着は、すなわちゴンにとっても最も良い決着だったのではないか。
哀しみに溢れた作品であるが、全てが悲劇という訳ではなく、観終わった後にある種報われた感覚が残る作品であると感じた。
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