「泣く観客…コレジャナイ!ってね涙」泣く男 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
泣く観客…コレジャナイ!ってね涙
「アジョシ」の監督の新作!て事で期待で胸をパンパンにしての鑑賞。
…なんだけれど、「アダタノコトガ、トゥキダカダカラー!」と手放しで言えない、そんな一本。
正直に言えば「凡打」なのがとにかく無念。
キャラの造型もストーリーにも、目くじら立てる不備は無いし。
ドンゴン氏の病んでる風な眼が印象的な演技を始め、出演陣は凄く良かった。
演出・画面の魅せ方も良かった。
なのに…
アクションの演出がとにかく残念なのが!涙
無口な主人公を選んだ物語の説得力がへし折れるお粗末さ。
「アジョシ」で感嘆した肉弾戦然り、監督推しの銃撃戦然り。
やってる事は本格的なのは、観ていて分かるんだけど…
例えば肉弾戦。
チャカチャカとして何してるのか解りづらいカット割りと適当な繋ぎ(最近だと「96時間2」が正に)
その魅せ方が、一昔前のハリウッド映画みたいに退化したのはどうなのか?
銃撃戦もこれまた然り。
凄いらしい銃器、普通のマンション、高低差等を活かしてるのは分かるが…
姿丸見えで屋根の上から狙撃、とか。
隣棟のライフル相手にショットガンで応戦とか(ま、10mくらいだからアリなのかもしれないんだけどだったら敵が最新鋭のライフル用意する意味が?)。
とにかく「雑味」しか感じない(邦画チックなんだ苦笑)…
「アジョシ」で惚れた、「物語とアクションの両輪」が出来なくなっているとはどういうことなのか…
「主人公が強い」事を伝えるだけなら、省いても成立するクオリティだったのがとにかく悲しくて。
作品としては及第点なんだが。
監督に対する期待から、ガッカリ。
ドンゴン氏を推し過ぎて、たかが六つ折の紙のパンフに値段をつける日本配給のヤル気にガッカリ。(いや、正確か)
「レオン」をもう一度!と言って、ベッソンにはもう無理だったのを知っているけど…
監督、そうならないで!と思わずにはいられない作品。
あ、出来は良いんですよ?