エクソダス 神と王のレビュー・感想・評価
全23件中、1~20件目を表示
ラムセスLOVE <3
本作、その後がさらにその民族にとって苦難の道が続くため、決してカタルシスは生まれない。
そこを踏まえて、どう楽しむか、が本作の見どころ、となる。
以下、その本作の注目点。
・リドリー・スコット
まずは何はともあれ、超傑作「悪の法則」の次の作品である。とはいってもリドリー・スコットである。そこは過剰な期待はやはり持つことはなく。
・神様
前々作「プロメテウス」で神をエイリアンバスターするというびっくり設定があさってすぎて、スベッてしまったが、再度神を描いた本作。
「お前らの神が!」
というセリフがあるが、確かにその部分だけをピックするととっても問題ある発言だが、本作、宗教色は極めて薄い。
今度は駄々っ子、というある意味、とっても分かりやすい姿で登場。ただし、モーセ自身の子供と、駄々っ子との対比、というようなところまで突っ込んでいないので、駄々っ子ぷりにモーセがただ、ただ振り回されるのである。
・ラムセス
この駄々っ子に、エジプトの王であり、「神」でもあるラムセスがイジられる。ラムセスにしてみれば、先代の意志を継いでいるだけである。まあ、ちょっと気負ってはいるかもしれないが、積年の恨みを晴らすための駄々っ子からの攻撃を気丈に耐え忍ぶ。その姿がとてもかわいいのである。
ほら、そんなに泣くから、アイシャドウが。。
演じるエドガートン、ハッキリ言って、クリスチャン・ベイルを食ってる。最高である。
・「奇跡」
極めて現実的に起こりうる描写になっており、実際、笑える会話もここではあるのだが、絵的にあんまりおもしろくない一方、「海」のほうは、期待したあの絵でないかつ、別の意味で非現実すぎて、これまた興ざめ。
ほかの映像についても、特に騎馬戦などもっとド迫力が出てもいいもんなんだが、どうも迫力不足。
軽いんだよねえ、どうにも。
「プロメテウス」ぐらい豪快にハッタリをかませばいいものを。
しかしアクション・センスとか、ダイナミズムとか、このへんはリドリーには求めていないので、まあ、いいか。
・最後に
バッキンバッキンのCG、頑張りましたねえ、とは思うが、それがリドリースコットのなせる業、とは全く思っていない。
だから今回もそんなんどうでもいいから、駄々っ子とラムセスで楽しんだ、というリドリーファンからすると、今回も映画ファン失格なレビューですまないねえ。
追記
化ける割にベイルは結構、共演者に食われる印象があるなあ。「アメリカン・ハッスル」ではクーパーに、ヒーローものではことごとく、「ファーナス」は、これは、まあ、気にしなくていいか。
内容全然知らずに観た
モーゼってあのモーゼなんや
同名の別人の話やと思ってたけど
壮大やった!
あの奇跡の数々は一つ一つならあり得る話と思う
それが重なって起こるとかもあるんかな?と
海が割れる事は無かったけど引潮であそこまでなる事はないと思うからそこは奇跡なんやろう
ヘブライ人の事はほとんど知らないし、ラムセスも2世くらいしかしらない
でも観てると知ってる気になるから不思議や
神話は最古のスペクタクル
Amazon Prime Videoで2回目の鑑賞(字幕,レンタル)。
リドリー・スコット監督は、まさにハリウッドのなんでも屋だな、と…。SFや戦争映画、サスペンスに史劇スペクタクルまでつくってしまうんだから、その才能恐れ入ります。
本作はと云うと、史劇スペクタクル、と云うか、聖書スペクタクルとでも呼べば良いのでしょうか。元々西洋の神話はちょいと苦手だし、下敷きになっているモーゼの物語も「十戒」が未見なので詳しく知りませんでしたが、炸裂する迫力のスペクタクルのおかげもあってめちゃくちゃ面白かったです。モーゼとラムセスの相克のドラマも観応え充分でした。
奇跡の数々を科学的に描く、と云うのが公開当時の触れ込みだったような気がするのですが、腑に落ちないところがあったりして、なんともかんともな心境でした。
※修正(2024/05/26)
濃い映像、薄い内容
CGなど映像技術の向上による美しさはありますが、中身は1957年の作品“The Ten Commandments”に遠く及びません。
Mosesの生い立ち、預言など、多くを言葉による簡単な説明に任せているので、感情移入が難しいです。何しろMosesがヘブライ人として苦労する様子がほとんどありません。隠れグラディエーターかロビンフッドのような感じです。Mosesに待ち伏せされ、いきなり剣を喉元に突きつけられたら、Ramsesだって一応王様ですから怒りますよ。
本作で一番残酷なのはヘブライ人の神です。何人苦しめたら気が済む神様なのでしょう。そんなに不満なら400年も経つ前に災害起こせよって。
自然災害の描写と、海を渡るシーンを急激な引き潮?で描いた点はリアリティがあって良かったです。
あとはSigourney Weaverの無駄遣い。
超大作
モーゼの十戒って話になると、なんだかお伽話を想像しちゃうが、これは違った。
なんというか…人の生活に起因してるように思うから、とても見やすかった。
歴史物、特にエジプトとかの作品だと、世界観の構築だけでも相当な体力を要する。
今回の作品も、その世界観たるや、見事なものだった…。
まだCGが発達しなかった時代でも、この題材の作品はあったから、映画の底力みたいなもんも考えてしまう。
やりきった感が半端ない。
僕は十戒の項目を知らない。
映画の中でも語られる事はなかった。
だけど、石は揺るがないという台詞が印象的だった。
その世代毎に価値観は変わっていく、ましてや今の時代は何が真実なのか見極めのが困難だし、その真実に其れ程の重要性も感じない。
なんというか、人に起因してるわけだし、人は立場で物を考えるから。
でも、普遍的な事は確かにあるのだと。
それも、そんなに多くはない。
たかだか10個くらいの事なのだと。
話の流れにファンタジックな部分が少なかったから、そんな事も考えてた。
海が割れるシーンは、とてつもないスケールで、怖かった。
実体験として、この目で見たからだろうな。
人間モーゼ
あくまで人間的なモーゼを描こうとした意図はわかるが、奇跡を起こさないモーゼなんて映画としては余り面白くない。かつての映画=チャールトンヘストンがモーゼを演じた「十戒」には遙かに及ばない。セシルBデミル監督の真似をするようになったリドリースコットは余り好きになれません。映像の魔術師みたいだった頃が懐かしい。
トータルで考えると満足かな
エクソダス。やっと重い腰があがり観てきました。
ものすごい偏見だけど裸のムキムキ男の闘いが多々あるんじゃないかと思うとなんとなくいく気がしなくて(モーゼの話だからないじゃんって話だですが)
でも観に行く理由を探すために、リドリースコットのハンニバルは面白かったな。と思い出しポチっとチケットを買いました。
スペクタクル!って感じで迫力があったのでなんとなく随所随所に疑問ありながらもすーっと観れました。
神が起こす十の災いが特にすごかったです。
水を血に変える
蛙の大量発生
ぶよの大量発生
虻の大量発生
疫病を流行らせる(エジプト人の家畜大量死)
腫れ物が出来る
凄まじい雹の嵐
蝗の大量発生
暗闇でエジプトを包む
エジプト人の初子が死ぬ
ラムセスの子供が息を引き取る時はなんか悲しかったです。まぁラムセスがしてることもしてることなんですけど。
ですがラムセスが子供抱っこして歩き回る辺り、大事なぬいぐるみ抱っこして歩いてるでっかい子供にも見えるシーンでした。子供をミイラにして、棺に寝かせる所とかすみません。ちょっとカワイイとか不謹慎な気持ちに。
見えない存在と感じてるノアの方舟の神様より、私は神様が子供って言う部分はなんかしっくり来ました。
台詞とかは要らなかったけど。
残念だった点
海が割れるシーン。もっとあり得ないくらい真っ二つに割れてほしかった。。
そしてモーゼが起こすってゆうより、モーゼがただその奇跡?神のみわざを見てるだけ。て感じがした所でしょうか。
トータルで考えると満足かな。映画が安い日に観に行ったら。ですが(笑)
未だに。
子供の頃何度も「十戒」を観た世代には知り尽くした場面が多い。
たださすがのリドリーだけに映像のスペクタクル感はハンパない。
なんでまた今頃リドリーがリメイク版を?と思うが、とはいえ
タイムリーなほど現実世界で頻発している問題だけに胸が痛む。
民族や宗教が違うだけでこんなに長世代に渡って争いが止まない
のは、10の奇跡や割れる紅海(今回は割れませんけど)をどれだけ
表現してみても、やっぱり結実しないのか、友好関係は結べないか
と、尻切れ感と絶望感と遠く離れた日本人にも虚無感だけが残る。
兄弟同然の絆で結ばれていたモーゼとラムセスも異なる人種という
理由だけで憎み合う運命を辿る。今まで信頼し合ってたくせに。
出エジプト記がベースなので、エジプトの神は偽物、ヘブライの
神こそ正真正銘の本物のように描かれているのは仕方ないけど、
あんな天罰が一気に下されると何だか残酷を通り越して可哀想。
出自は同じ人間同士なのに、結局殺し合うしか解決策はないの?
未だ止まないテロなどの報復行為の根幹の揺るがなさに辟易する。
少年の姿をした神がモーゼに啓示を与える件も不気味なのだが、
リドリーが描くと神はこうなるのか。と彼の新解釈は興味深い。
最後の亡弟に捧げたというメッセージが総てかもしれないが、
何だか最後までリドリー?らしさが掴めず混沌と観てしまった。
(俳優陣は巧い。モーゼに見えちゃうもんなぁ~C・ベイルなんて)
リドリースコットだな…
リドスコの映画だなー…としか思わなかった。悪の法則の様な不穏な違和感も無く、見た目は旨そうだけど味の薄い料理みたいだ。災いのシーンは最高。後、奥さん綺麗。クリスチャンベイルが見えないお友達とお喋りしてるシーンに笑った。トニスコに捧ぐ。
神は神を信じない者を愛す。
劇中、モーゼは神に問う。
「400年も虐げられたヘブライ人に何もしなかったのに何故、今」と
神はそれには答えない。しかし、何故モーゼなのかはわかる。それは……
モーゼは己の考えのみを信じ、神を信じないからだ。
誰もが信仰をしているのに対してモーゼは相手のそれを認めながらも自身では信仰をきっぱりと否定する。「神の言葉ではなく、自分で考える」と。
だからこそ神は彼を選んだ。
クライマックス前、海への道に迷いをもったモーゼは神に「どちらへ行けばよいのかを」訊ねるが、それに神は答えないことからも、それはわかる。
要するにこれは信仰(宗教)を否定するのが主題なのだ。
そしてモーゼと神とのメロドラマの側面をもっている。終盤、自分自身の考えを十戒として石版に彫るモーゼを好ましく見ている神の場面や別れのときの場面からもそれはわかる。
それだから、単純にスペクタクルを観たかったひとには「なんじゃ、これ」感が残る印象だ。十の災厄なんかまるでギャグにしかみえない。
だから、観るときは3Dがおススメ。蛙や蛆虫や蝿をこれでもか!という位に。
疑問だらけの150分。
前から気になってようやく観れる時間ができたので観賞しましたが、開始5分あたりで眠くなりました。(^^; 見事に裏切られた気分です。
なぜ、モーゼは国から追放されたのか?そもそもあの杖を持った子どもは何者?
なぜ、モーゼはあっさり田舎娘と結婚できたのか?
なぜ、モーゼは家族を捨てたのか?
なぜ、急にワニが大量に出てきたり、虫やらカエルが出てきたのか?
なぜ、急に子ども達だけが死んだのか?
なぜ、モーゼとラムセスは大津波におもいっきり飲み込まれたにも関わらず死ななかったのか?そもそもどうして急に大津波やら嵐がやってきたのか?
・・・と、疑問がめちゃくちゃあります。もう少し分かりやすくして欲しかった!
人によっては面白いかもしれませんが、私には理解不能で、苦痛の150分間でした(T_T)
星0,5にしようと思いましたが、世界観と戦うシーン、大津波、虫やらワニ、カエルの描写はリアルで迫力があったので星1つにしました。
悪くなかった
素直に面白かった。途中モーゼがさまよう場面は少し中弛み感があったが、全体的には満足出来た。津波にのまれ生還したモーゼとラムセスには、少し無理があったけどそれはそれで良いのかな。
無神論者だからこそ
無神論者であろうリドリー監督による旧約聖書・出エジプト記の映画化。
宗教を讃えるというよりは、その怖さを炙り出している。
本作が、信者の方が多いアメリカで、ものすごく評判が悪かったのも、なるほど納得。セシルB監督の『十戒』と、粗筋はほぼ同じでも、意味合いが全く異なる映画だった。
—
「殺人に長けた者は、神なのか?人間なのか?」というセリフが出てくるが、圧倒的に神様(宗教というシステム)が長けていたというのが、監督の見解なのだろう。
人間のラムセス王だって、いろいろと無慈悲なことをするんだが、神様の規模には敵わない。(あえてだと思うが、本作のラムセスは等身大な弱さがある。それこそ『十戒』でユルブリンナーが演じたラムセスのように狡猾な悪役として描かないと、王を倒した恩恵よりも、神様やりすぎ感が強くなってしまう。)
やりすぎな感もある「十の厄災」が、パニック映画のように降り掛かる。
厄災を受けて、神への憎しみを募らせていくラムセス王。報復の連鎖。
いや、そもそも「十の厄災」や「海の奇跡」は神様が起したものだとなっているが、実は単なる自然現象(隕石etc)だったんじゃないの?という揶揄も、映画には差し込まれる。
神を畏れるモーセや、神を憎むラムセスには、単なる偶然や自然現象には思えない。神の御業と思ってしまっていることで、それぞれの畏れや憎しみは更に深まり、両者の乖離は決定的なものとなってしまう。
(心の奥底ではどこか尊重し合っていた二人だったのに、もはや後戻りできない。)
「報復の連鎖」「敵対する者の乖離」を深め、新たな戦いを生む宗教。
「十の厄災」の怖さよりも。
対立を深める要因に宗教がなりうることが、真の怖さ。
対立の、どうしようもない平行線。
それは、形を変え現在も続いている。
なんというか、非常にタイムリーな、タイムリーすぎる映画だったのではないか。
最後、カナンの地に向かうモーセの「私たちは侵略者だ」という言葉も、だめ押しのように響く。
特定の宗教の良し悪しというよりも、対立の名分となる宗教というシステムへの疑義、監督自身の言葉を借りるなら「The biggest source of evil is of course religion.」そんな映画だったように思う。
—
テーマは重い。
重いが、あくまでもエンターテイメント活劇に織り込んで描く。
それが、リドリー・スコットの諧謔精神ではないかと思う。
出エジプト記を知る
自分がヘブライ人だと知り、それが宮殿にも知れ渡って追放されるモーゼ。
辿り着いた地で目の当たりにした奴隷の実情と神の声により、解放を求めに再びラムセスの元へ戻るというのが前半。
そこから、神の御業として様々な災いが起こるが、これがあまり現実的でないのでややトーンダウン。
ただ、魅せる映像という意味では素晴らしい。
最後の波などはその最たるものだが、結局モーゼとラムセスが剣も言葉も交わさず終いだし、2人だけが生きているというのも違和感がある。
マイナーチェンジ
冒頭のつかみといい主人公の変遷といい、かなり『グラディエーター』との相似が見受けられる本作。ただ思っていたよりも硬派な印象を受けたのは弟を失ったリドリーの心象と今も問題が深まっている中東の情勢が相まって反映されていると言えるかもしれない。実姉を救うシーンはグッときたしリドリー作品では珍しいことだ。
シオニズムをただ肯定しているようでもあるが、作中ではモーゼ自身の言葉で悩みや逡巡を表現しているから、偏りすぎでもない(とも言える)。無宗教の自分にとっては何らカタルシスを感じない本作では、いつものように「自由」や「信仰」の名の下に暴力が連鎖していく。それは現実でも同じでそういう世界のありようの中心に米国があって、その国がこういう作品を垂れ流しては儲けている、という構図はマッチポンプ的である。
あとマラク(天使)役のアイザック君がよかった。気になります。そして彼がモーゼにしか見えていないというアイデアは良かった。
あの子供は?
長い長い映画でした。が圧倒的な映像に口が開いたままになってしまいました。映像すごいですね。
海が割れて、その海水が帰ってくるシーンはのけぞってしまいました。
また、歴史の勉強にもなりましたね。海を割ってカナンの地に帰るんだろうけど、いったい何年かかって
帰るんでしょうかね?
他の人も評価していると思いますが、少年の姿の神様ですが、あれってモーゼ自身じゃないのですかね?
モーゼが自問自答して困難を切り抜ける姿なのでは?
神なんていない?
監督がエジプトに降りかかる災難をなるたけ自然現象に置き換えているのは、ある意味神否定なのでは?
見方が間違ってたらすいません。
ブルースウェイン
久しぶりにハリウッドのスペクタクル大作を映画館で観た補正と大好きなリドリー・スコットということも含めて、満点。
まあ、モーゼのストーリーを映画化したらそりゃ何度映画化しても面白い作品ができるに決まってるよね。
ほとんど自然災害の映画でした(笑)
それにしてもチャンベーはこういう役が似合いすぎる。
もっと非現実的に海がパッカーと割れた方が個人的にはよかったな。
神様役の子役がとても上手かった。
斬新な神と厳しい社会風刺
神があまりに斬新で、素晴らしく面白かった。
はじめは超越的な雰囲気で何を考えているかわからない登場の仕方をした神が、徐々に対話をしたり、感情を爆発させたりする人間的な面を見せていく。
また、まさしくヘブライ人の神、民族宗教の神として描かれているのも面白い。
神にまつわる演出が、神々しさよりもむしろホラー映画やサスペンスのような恐怖と不気味さに彩られている。
こうした一連の世界観が、理不尽なまでに残酷な旧約聖書の神の性格に説得力を与えている。
副題の神と王とは、一見、神とラムセスの対立のことに見えるが、どちらかといえば神とモーセのことだろう。
つまりこの映画は、神と人間のリーダーとの関係がテーマだということ。
作品中、モーセ達が狂信者、とののしられるシーンがいくつかある。観客が感情移入しているモーセ達の考え方や行動は、まさしく現代社会で狂信者とののしられる、原理主義的な信仰者に重なる。
原理主義者的信仰と、宗教より世俗の倫理を上位に置く考え方はどうあってもわかりあえない、ということに気づかされる。
エジプト人に何百年も苦しめられてきた民族の恨みを爆発させる神は、アメリカとイラク周辺の国の戦争を連想させる。
また、モーセ自身に、カナンの地にたどり着いても、そこに住み着いている人間との衝突は避けられないだろう、いうことも言わせている。
常に人間には困難がふりかかり続けるだろう、という悲観的な世界観がベースにあるが、救いも残されている。
モーセと神が協力して十戒の石版を作るシーン。二人は他のほとんどのシーンでののしったり怒ったり困惑したり懇願したりとよい関係ではなかったが、石版のシーンだけは、二人とも和やかで穏やかな表情をしている。
モーセは、自分が納得しないことは書かない、と言い、神も、そんなモーセをにこやかに受け入れる。
信仰とは、神に機械的に盲目的に従うことではない。まさに、神との対話の中で築き上げていくものである。
このような考え方が唯一、原理主義者と通じ合える道のようにも思う。
全23件中、1~20件目を表示